医薬基盤研究所(NIBIO)のお知らせ
鼎談「日本におけるエイズの現状と治癒を目指した新たな試みの紹介について」概要報告
2022年12月15日
12月10日(土)に開催された第32回日本エイズ学会学術集会記念エイズ啓発イベント『OSAKA JAZZ FESTIVAL2022』内鼎談「日本におけるエイズの現状と治癒を目指した新たな試みの紹介について」の概要です。
当日は、快晴の中、500名近くの方が参加をされていました。
冒頭、国立病院機構大阪医療センターの白阪琢磨先生から、臨床の立場からHIVの治療の現状についてプレゼンがなされました。抗HIV薬の登場によって、HIV患者は発症せず、うつらず、死なない病気になったけれど、未だに治癒をすることはできていないという現状が紹介されました。
白阪先生のご講演のあと、花井十伍先生より『患者の立場から見たHIVを巡る現状』についてご講演を頂きました。
花井先生自身が、80年代にHIVに感染した当時と比べると、抗HIV薬の登場など劇的に治療技術は進歩し、ここまで生きながらえることができたけれど、白阪先生の言う通り、未だ治癒はできず、一日一回必ず薬を飲む必要があるなど、その度に患者であるということを突き付けられるというHIV患者としての想いを会場にお伝えいただきました。
白阪先生より、そのような現状の中、世界でも初めてHIVを根治しうる技術が日本で開発・研究されているという紹介を頂き、NIBIOHNの保富センター長より、現在、行われているHIV根治に向けた研究について紹介を致しました。未だ霊長類での実験段階ではあるものの、弱毒化したエイズウイルスにアジュバント分子を組み込み、エイズウイルスに感染した霊長類にワクチンとして使用することで、霊長類の体からエイズウイルスを根治することに成功したという研究成果を保富センター長より共有し、鼎談を行いました。
鼎談の中では、白阪先生から臨床の医療の現場からもこのような治癒技術のヒトへの応用が待たれる、と発言頂き、花井先生からは、今までHIVを治癒したのは人類でも3人だけであるが、この技術によって自分を4人目にしてもらいたいと発言を頂きました。
このようにNIBIOHNで開発・研究中であるこの技術について、臨床・患者の双方から期待が寄せられている中、研究者である保富センター長から、今後もこの治療技術のヒトへの応用・実装化に向けて研究にまい進するので、是非多くの方にこのような技術が研究・開発中であることを知っていただき、サポートを頂きたいと発言し、締めくくりました。
当研究については、以下のとおりYahoo!さんにご協力を頂き、募金のサイトを立ち上げて頂きました。
もしHIV根治に向けた保富先生の研究に賛同頂き、支援を頂ける方はご確認頂けますと幸甚です。