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食事:日本人が不足しているミネラルはカルシウムだけですか?

作・平原文子:2003/01/06


人体を構成している元素のうち無機質(ミネラルともいう)は人体の構成成分として生命に必要な色々な作用、酵素作用、代謝調節作用などと密接に関係しています。

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 人体を構成している元素のうち無機質(ミネラルともいう)は人体の構成成分として生命に必要な色々な作用、酵素作用、代謝調節作用などと密接に関係しています。一番多く含まれているものはカルシウムで、成人では約1kg含まれています。我が国において、カルシウム、鉄、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、リン、銅、亜鉛、マンガン、ヨウ素、セレン、モリブデン、クロムについて栄養所要量が示されています。なかでもマグネシウム、亜鉛、マンガン、銅などは微量ですが人体に重要な役割を果たす体では作られないので、食事から摂らなければならない栄養素です。最近、マグネシウムは高血圧、糖尿病、虚血性心疾患などの生活習慣病に深く関与していることが明らかにされ増した。 不足すると骨からMgが遊離され、心疾患などの原因になります。
 亜鉛は酵素やホルモンの成分のとしての役割から、たんぱく合成、糖の取り込み、免疫反応などに関与していることが知られています。不足すると味覚障害、貧血、生殖能異常に影響を及ぼすとされています。マンガンは肝臓の酵素の成分の1つで、不足すると骨代謝、糖脂質代謝、血液凝固能などに影響を及ぼします。銅は乳児の成長、骨密度、鉄輸送、脳の発達などに関与しています。
 近年の食生活は豊富な食材が得られる反面、精白、精製、加工食品などの摂取が増えてきています。食品は加工や保存中にビタミンや無機質が除かれている場合が少なくありません。そのため、ミネラルの摂取量不足も懸念されています。一方、加工の過程で添加される場合もあり増す。
 これはまた、過剰摂取やミネラルバランスの崩れについても考慮しなければなりません。日本人の摂取状態を毎年国が行っている国民栄養調査結果では、マグネシウム摂取量は1978年までは栄養所要量を満たしていましたが、少し減少していますがほぼ充足しています。亜鉛の摂取量は低値を示し、栄養所要量を約10%不足しています。マンガンの摂取量においても栄養所要量の3/4と不足気味です。銅の摂取量も亜鉛と同様に栄養所要量を下回っており、1971年は87%でそれ以後も徐々に減少し、約3/4となっています。マグネシウム、亜鉛、マンガン、銅含量は低値を示しました。懸念されていた微量元素の摂取量の不足が推定されています。



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