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葉酸:葉酸の作用

作・瀧本秀美:2002/11/21


 葉酸は、その名のとおり葉っぱに多く含まれているビタミンの一種です。ここではどうして若い女性に葉酸の摂取が重要なのか解説しています。

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 葉酸は, ほうれん草などの葉ものの野菜や果物、豆類、レバーなどに多く含まれている、ビタミンB群の水溶性ビタミンです。葉酸は、細胞の中でホモシステインというアミノ酸がメチオニンというアミノ酸に変換される反応を、助ける働きをしています。メチオニンはたんぱく質の合成に必要ですし、細胞増殖に必要なDNAの合成にも不可欠です。特に妊娠初期は、胎児の細胞増殖が盛んなので、葉酸が大変重要な役割を果たしています。
 受胎前後に十分量の葉酸を摂ることで、胎児が二分脊椎(にぶんせきつい)や無脳症などの神経管閉鎖障害(しんけいかんへいさしょうがい)という先天異常にかかるリスクを低減できることが多くの研究から明らかになってきました。神経管閉鎖障害とは、脳や脊髄などの中枢神経系のもと(神経管)が作られる妊娠の4〜5週ごろにおこる先天異常です。我が国では、出生した赤ちゃん1万人に対して約6人の割合でみられます。神経管の下部に閉鎖障害が起きた場合、これを「二分脊椎」といいます。二分脊椎の起きた部位では、脊椎の骨が脊髄の神経組織を覆っていないため、神経組織が障害され、下肢の運動障害や膀胱・直腸機能障害がおきることがあります。神経管の上部で閉鎖障害が起きると脳が形成不全となり、これを「無脳症」といいます。無脳症の場合、流産や死産の割合が高くなります。こうした先行研究をふまえ,厚生労働省では、妊娠を希望するすべての女性に、1日400マイクログラム(0.4ミリグラム)の葉酸を摂ることをすすめています。
 さらに最近では,体内で葉酸が不足することによって、血中のホモシステイン濃度が上昇し、この状態が長く続くと動脈硬化症になりやすくなることがわかってきました。葉酸は若い女性だけでなく、多くの人にとって重要な栄養素であると言えます。
 現在までのところ、葉酸のとりすぎによる疾患はみられていません。しかし、1日に1000マイクログラム(1ミリグラム)以上の葉酸をとると、ビタミンB12欠乏症による「巨赤芽球性貧血」(きょせきがきゅうせいひんけつ)という病気を診断しにくくなることがしられています。「巨赤芽球性貧血」は、若い人ではめったにみられない病気です。


(国立健康・栄養研究所編『第三版 健康・栄養-知っておきたい基礎知識-』第一出版、東京、2003収載予定。著者、出版社の許可を得て転載)



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