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食事:カルシウムについて

作・西牟田守:2005/12/20


【質問】

(1)一日の必要所要量はどのような調査の下、算出されているのか(特にカルシウム について)。

(2)カルシウム所要量が国(WHO含む)によって違うのはなぜなのか。また、カル シウム摂取量が少ない人々の骨がもろいというデータ(根拠)は存在するのか。

(3)牛乳のカルシウム吸収率の優位性をあらわすデータとしていまだ使われている兼 松データについてどのような見解を持っているのか(もしもこの論文があるなら直に 見てみたいのですが・・・)

(4)リンとカルシウムの吸収の関係性について

(5)現在の給食における牛乳の在り方についてどのように考えるか(栄養的・組み合 わせ的に)

(6)牛乳のプラスのイメージを伝える教育・宣伝はなされているが、牛乳のマイナス 面が伝えられることはほとんどない。これはいったいどうしてなのか。

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【解答】 

(1)一日の必要所要量はどのような調査の下、算出されているのか(特にカルシウム について)。


これに関しては、厚生労働省策定 日本人の食事摂取基準[2005年版]第一出版(2005)に解説があります。これを熟読してください。 具体的には摂取量と排泄量を測定したり、摂取量と不足症状との関係を調査して、その後、それぞれの方式で策定しています。


(2)カルシウム所要量が国(WHO含む)によって違うのはなぜなのか。また、カル シウム摂取量が少ない人々の骨がもろいというデータ(根拠)は存在するのか。


それぞれの国によって、策定に使用した調査結果が異なり、また、策定方式が異なるために異なった値となっています。  カルシウムの摂取量と骨粗鬆症発生頻度との関係は必ずしも一致した見解はありません。「カルシウムの摂取量」が0であるような動物実験では、明らかな症状を出すことができますが、「カルシウム摂取量が少ない」と言われても、どの程度の摂取が少ないのかがわかりません。 日本人は欧米諸国よりカルシウムの摂取量が少ないにもかかわらず、骨粗鬆症による大腿頸部骨折の頻度は1/4程度であると報告されています。この項は「骨粗鬆症、カルシウムの摂取量」で検索してください。


(3)牛乳のカルシウム吸収率の優位性をあらわすデータとしていまだ使われている兼 松データについてどのような見解を持っているのか(もしもこの論文があるなら直に 見てみたいのですが・・・)


手に入る論文ですから、調べてください。また、女子栄養大学上西先生が追試実験をしています。「上西一弘、カルシウムの摂取量」で検索してください。見解は差し控えます。


(4)リンとカルシウムの吸収の関係性について


議論の分かれるところです。リンには吸収性が比較的良い正リン酸と比較的悪いポリリン酸があり、食品添加物としてポリリン酸が使われているからです。


(5)現在の給食における牛乳の在り方についてどのように考えるか(栄養的・組み合 わせ的に)


どのように考えるかは個人で異なります。ノーコメントです。 ただし、学校給食等では食事摂取基準に見合うカルシウムを摂取させる必要がありますが、普通牛乳はカルシウムの良い供給源になります。


(6)牛乳のプラスのイメージを伝える教育・宣伝はなされているが、牛乳のマイナス 面が伝えられることはほとんどない。これはいったいどうしてなのか。


牛乳のマイナス面とはどんなことですか?


国立健康・栄養研究所は牛乳に関して公式見解を発表しておりませんので悪しからず。



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