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栄養調査関連論文集
1  標準化のための手法開発

秤量法食事記録調査における入力過誤の修正と標準化の方法に関する一考察

目的 秤量法食事記録調査において得られた情報のコード化には、かなりの時間と手間が必要である。成分表未収載食品の取り扱いや乾物の重量換算等は、研究者の間で統一されていない。食品コードのつけ違いやコンピュータへの入力過誤は、食事の評価に深刻な影響を与えるにもかかわらず、データチェックの手順や過誤修正の方法を、具体的に報告している論文は少ない。
本報では、107人の栄養士を対象に四季、各季連続7日間の秤量法食事調査において、記録原票の内容確認面接、食品成分表の取り扱い、食品のコーディング、重量換算、主要料理の標準レシピ、入力過誤修正の方法などを検討した。
方法 食事調査は合計107人の栄養士を対象に、四季連続7日間の秤量記録法で行い、得られたのべ2,925日分の食事記録について検討した。
食品成分のうち、加工食品など四・五訂成分表に未収載な場合は、類似食品の栄養成分値を参照し、栄養素を強調表示している食品は、強調表示成分を参照した。脂溶性成分、食物繊維、無機質成分が未収載の食品は、同品種の食品の成分値を代用したり、文献を参考にした。
A記録を確認する面接、B米等乾物の戻し倍率、揚げ物等の吸油率、調味料の割合、C食品のコーディング【表1参照】方法は、標準化マニュアルを作成した。
6人の計算担当者は、マニュアルに従い栄養計算専用ソフトを用い作業したが、それでもなお判断に迷った事例はカード化し分類整理した。
入力過誤の防止方法は、「目視による原票照合」、「入力過誤検索用食品一覧データベース」抽出法、「摂取量検索法」の順に3段階で試みた。
結果
  1. のべ2,925日の食事記録は149,187行の食品コード・重量データとしてコ−ディングされ、総出現食品数は1,160食品であった。成分表未収載食品や調理済み食品などのコード化が困難な事例は414食品あり、今後の食事調査で参照するために分類整理して処理した【表2参照】。
  2. 入力過誤の修正は、目視により原票を照合した後、各食品コードごとに生じやすい過誤の例を「入力過誤検索用食品一覧データベース」にして、食品コード・重量データを検索し修正した。その結果、春期・夏期のデータでは73,266行中1,112行の過誤データが見つかり、特に食品コードの修正に効果があった。大量の入力データの過誤修正にはコンピュータ検索が不可欠であった【表3参照】。
  3. 食品コーディングや重量換算の精度を保つためには、記録を確認する面接や詳細なマニュアルが必要であった。フォローアップ成分表未収載食品の取り扱い方法によって、脂肪酸,食物繊維摂取量を過小評価あるいは過大評価する可能性があった。
結論 秤量法食事記録調査における入力過誤の修正と調査方法の標準化が必要であることが示唆された。
出典 栄養学雑誌 2000;58(2):67-76
著者、
所属
今枝奈保美 徳留裕子 藤原奈佳子 永谷照男 構実千代 恒川鈴恵 佐藤信子 時実正美 小出弥生 宮井好美 牧信三 徳留信寛
Abstract Abstract

〔要約作成者:吉池信男〕

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