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栄養調査関連論文集
2  秤量記録/24時間思い出し法
                             

秤量法による中高年男女の栄養素および食品群別摂取量

目的 秤量法による食事調査を用いて、栄養素や食品群別摂取量の個人内・個人間変動について明らかにし、栄養素や食品群別摂取量を把握する方法の問題点を検討する。
方法 40歳以上の中高年男性46名、女性42名を対象に1996年6月から約3カ月おきに各4日間を4回、合計16日間の秤量法による食事調査を行い、男女別に栄養素および食品群別摂取量の個人内・個人間の変動係数を求めた。さらに、長期に渡る個人の平均的摂取量の推定に必要な食事調査の日数を個人内変動係数から算出した。
結果 男女とも栄養素摂取量の個人内変動係数(%)が最も高かったのはレチノール(男性293.5、女性283.8)で最も低いのは糖質(男性17.7、女性22.1)であった。個人間変動係数(%)では、男性はレチノール(58.2)が最も高く、マグネシウム(17.0)が最も低かった。女性ではカロチン(56.7)が最高で、最低は糖質(14.4)であった。(→表1)、(→表2) 男女とも食品群別摂取量の個人内変動係数で最も高かったのは種実(男性291.5、女性391.8)で、飯類(男性30.5、女性38.9)が最も低かった。個人間変動係数については、男性で乳・乳製品類(111.7)が最高で、芋類(20.7)が最低であった。女性ではアルコール飲料類(162.3)が最も高く、豆・豆製品類(26.0)は最も低かった。個人の平均的摂取量推定に必要な調査日数は、エネルギー、たんぱく質、糖質は3〜5日であるのに対して、レチノール、カロチンなどのビタミン類は50日以上であった。食品群のうち、飯類は9〜15日で日常の摂取量が推定可能であるのに対して、他の食品群では30日以上を要し、とくに種実類や女性のアルコール飲料類・海草類の摂取推定量には1年以上の食事調査を必要とすることが明らかになった。(→表3)、(→表4)
結論 男女ともエネルギー、たんぱく質、糖質は個人内変動が小さく、短期間の思い出し法や記録法による食事調査でも個人の日常の平均的摂取量が把握しやすいと考えられた。反対にレチノール、カロチンなどのビタミン類や、飯類を除く食品群では個人間変動が大きく、これらによる食事調査では日常の平均的摂取量の把握には多くの調査日数が必要で、実施は非常に困難なことが示唆された。
出典 日本公衆衛生学会誌 1999;46(9):828-837.
著者、
所属
江上いすず、若井健次、垣内久美子、川村孝、玉腰暁子、林櫻松、中山登志子、杉本公子、大野良之

〔要約作成者:草間かおる〕

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