2021.10.8
, EurekAlert より:
COVID-19ワクチンを未接種の妊婦は、全米でのデルタ変異株感染の急増に伴い、COVID-19での入院が増えているという。テキサス大学南西医療センターの調査から。
この研究は、2020年5月〜2021年9月上旬にダラス地方でCOVID-19と診断された1,500以上の妊婦の症例を対象としている。調査によると、入院を必要とするCOVID-19患者のうち、妊婦の割合は、8月下旬〜9月上旬に10〜15%に増加した。これはデルタ株が現れる前である昨年の2倍以上に及ぶという。
「これは懸念される傾向であり、主にワクチン未接種の女性にこれらの症例が見られます」と、筆頭著者のアディカリ准教授は話している。
この調査結果は、妊婦の症例数と重症度がデルタ株の急増とともに上昇したという最初の客観的な証拠を提供するものだとのことだ。
妊娠中患者1,515人のうち、82人が重度または危機的な状態となっており、そのうち10人は人工呼吸器を必要とし、2人が死亡した。重度または危機的な症例の割合は、年明け後の数日までは約5%だったものの、その後2月と3月にはほとんど存在しなかった。
しかしデルタ株の増加の波は、今年8月と9月初旬にピークに達した入院者数の波と一致し、遺伝子解析の結果、そのほぼ全てがデルタ株であることがわかった。
なお、82人の入院患者のうち、1人を除き全てワクチン未接種だったという。
アディカリ准教授は、妊娠中にワクチンを接種することへの安全上の懸念を持つ女性もいることを認めつつも、妊婦はあらゆるタイプの重度の呼吸器感染症による合併症のリスクが高いと述べている。これらの調査結果は、すべてのコミュニティの妊娠中・授乳中の女性がCOVID-19のワクチン接種を受ける必要性をさらに浮き彫りにしている。
出典は『米国産科学婦人科学雑誌』。 (論文要旨)
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