2021.10.7
, EurekAlert より:
コロナ禍において、子どもたちのメンタルヘルスの悪化が懸念されるが、身体活動を増やし、動画視聴などスクリーンを見る時間を減らすことで改善が期待できそうだという。米・シアトル子供研究所の研究。
この研究では、全米の学齢期の子ども(6-17歳)1000人あまりを対象とし、コロナ禍でのメンタルヘルス・身体活動・スクリーン視聴時間との関連を調べている。
調査の結果、1日1時間以上の身体活動を行う日数は1週間あたり平均3.9日、余暇時間のスクリーン視聴時間は1日あたり4.4時間であった。コロナ禍を原因とするストレスは年齢に関わらず高くなっていた。
なお、身体活動を行う時間が長いと、子どもの困難感は低くなり、スクリーン視聴時間が長くなると困難感が高まる傾向が明らかになり、これは性別による違いは見られなかったという。
米国では、子どもの身体活動時間として毎日60分以上を推奨しているが、コロナ禍以前にこれを満たしていたのは25%と推定されていた。今回の調査では、その割合が13.5%にとどまっており、コロナ禍において運動不足の子どもたちが大幅に増加したことが推察される。コロナ後には、学校やコミュニティをベースとして放課後のレクリエーションやスポーツの機会を増やすなどのサポートが望まれる。
また、スクリーン視聴時間はできるだけ短くする必要があるが、オンライン授業等でスクリーン視聴時間が長くならざるを得ない場合には、身体活動を積極的に行うことで子どもたちの心身の健康に利益をもたらすことができるとしている。
出典は『JAMAネットワークオープン』。 (論文要旨)
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