2021.10.5
, EurekAlert より:
感染前数週間の居住地周辺の紫外線B放射量(皮膚でのビタミンD生産のカギとなる)が、COVID-19の重症度や死亡リスクに関係しているかもしれない、というトリニティ・カレッジ・ダブリンからの研究報告。
研究チームは、英国バイオバンクの417,342名のデータから、血中ビタミンD濃度とCOVID-19の罹りやすさや重症度との関係を解析した。
メンデルランダム化という遺伝子のランダム性を利用した統計手法で、ビタミンD濃度が高まる遺伝子とCOVID-19の関係を検討したが、関係はみられなかったという。さらに、実測した血中のビタミンD濃度にもCOVID-19との関連はみられなかった。しかし、参加者の血中ビタミンD濃度は、平均11年前に測定されたもので、感染時の濃度とは異なる可能性が高かった。
血中ビタミンD濃度は、日照時間に強い影響をうけることから、研究チームは、感染前数週間に参加者が居住していた地域周辺の紫外線B放射量とCOVID-19の関係を解析したところ、紫外線量が、COVID-19による入院リスクと死亡リスクに一貫して強く逆相関することが認められたという。
「COVID-19に対する非常に効果的な治療法がないことを考えると、ビタミンDの厳密に実施された研究からの新たな結果に対してオープンマインドであり続けることが重要であると我々は考えている」と研究者はコメントしている。
出典は『サイエンティフィックレポート』。 (論文要旨)
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