2021.5.27
, EurekAlert より:
テストステロンレベルが低い男性患者は、そうでない男性患者に比べて、COVID-19の重症化リスクが高いようだ、という米国セントルイスワシントン大学からの研究報告。
男性であることは、重度のCOVID-19感染症を発症するリスク因子であるが、性ホルモンがこの素因に寄与するかどうかは不明である。
研究チームは、2020年3月から5月に米国ミズーリ州セントルイスのバーンズユダヤ病院を受診した男性90名と女性62名(平均年齢63歳、入院は143名)を対象に血清テストステロン、エストラジオール、およびインスリン様成長因子1(IGF-1、その濃度は性ホルモンシグナル伝達によって調節される)の濃度とCOVID-19の重症度との関連を調査した。
テストステロン、エストラジオール、およびIGF-1の濃度は、受診時(0日目)および入院後3、7、14、および28日目(患者が入院したままの場合)に測定された。
調査の結果、受診時と3日目のテストステロン濃度は、男性患者の疾患重症度と血中炎症性サイトカイン濃度と逆相関した。女性にはこの関係はみられなかった。
「このパンデミックの間、テストステロンは悪いという一般的な見方があった」と主任著者のアブヒナブ・ダイワン教授は述べている。「けれども、男性では反対のことがわかった。男性が最初に病院に来たときにテストステロンが低かった場合、重度のCOVID-19になるリスク、つまり集中治療が必要になるリスクや死亡するリスクは、血中テストステロンが多かった男性に比べてはるかに高かった。入院中にテストステロンレベルがさらに低下すると、リスクが高まった。」
出典は『JAMAネットワークオープン』。 (論文要旨)
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