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[病気]  COVID-19ワクチン、要注意な体質とは?
2021.1.5 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

先月米国で接種が始まったばかりのCOVID-19ワクチンについては、アレルギー反応の報告が複数出ていることから懸念する声も挙がっているが、専門家のレビューにより、特定の成分を含む注射剤・ワクチンに対するアナフィラキシーの病歴のある人以外であれば、安全に接種できるとしている。米・マサチューセッツ総合病院の研究。

米国ではファイザー社等およびモデルナ社が製造するCOVID-19ワクチン2種が食品医薬品局(FDA)によって緊急承認され接種が始まっているが、アレルギー反応の可能性の報告が挙がっており国民の懸念を引き起こしている。

そこで、マサチューセッツ総合病院(MGH)のアレルギー専門医が率いる専門家チームは、食品や薬のアレルギーを持つ人々にもワクチンを安全に投与できるという安心感を提供するために、すべての関連情報を調査したという。

英国では、COVID-19ワクチン接種後に一部の人々で潜在的なアレルギー反応がみられたことから、当局が「薬や食品に対するアナフィラキシーの病歴を持つ人はCOVID-19ワクチン接種を避けるべき」と勧告している。

しかしながらFDAは、アレルギー反応に関連するデータを綿密に検討した結果、COVID-19ワクチンに含まれる成分のいずれかに対する重度のアレルギー反応の病歴を持つ人のみワクチンを控えることを推奨している。疾病管理予防センター(CDC)は、ワクチン接種後15分間は必ず、副反応を特定・管理できるスタッフによって経過観察を行うことを勧告している。このように米国の機関では、食物または薬のアレルギーを持つ人々に対して予防接種を避けることを推奨していない。

アレルギー専門医の視点からの洞察を提供するために、MGHの臨床ディレクターでハーバード大学医学部の准教授であるバネルジ医師らは、COVID-19ワクチンに対するアレルギー反応について現在知られていることを要約したうえで、様々なアレルギー歴を持つ人が最初のCOVID-19ワクチンを安全に受けられるように詳細なアドバイスを提案したほか、最初の接種でアレルギー反応を示した人が2回目の接種を安全に受けるための手順を概説している。

「アレルギー専門医として、FDAが承認した両方のCOVID-19ワクチンが安全であることを皆さんに再保証し、ワクチン接種を奨励したいと考えています。私たちのガイドラインは米国の規制当局の推奨に基づいて作成されており、アレルギー歴のある人へワクチンを安全に投与する方法と投与量について医学界に明確な手順を提供しています」とバネルジ医師は述べている。

彼らによると、ワクチンに対するアレルギー反応はまれで、確率としては100万人あたり約1.3人であり、今回の2種類のCOVID-19ワクチンアレルギー反応の発生率も同様に低いと判断している。なお、ワクチン接種後は、病院ですべての患者を15〜30分間注視し、発生するアレルギー反応を管理することを強調している。

重要なことして、ポリエチレングリコールまたはポリソルベートを含む注射剤・ワクチンに対するアナフィラキシーの病歴のある人は、接種前にアレルギー専門医に相談することを推奨している。彼らは、食品、経口薬、ラテックス、ハチなどの毒に対して重度のアレルギーを持つ人であっても、COVID-19ワクチンは安全に接種できることを強調している。

出典は『アレルギー・臨床免疫学雑誌:実践』。 (論文要旨)      
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