2020.12.21
, EurekAlert より:
SNSに依存する度合いが高い人ほど、COVID-19の誤情報を信じ易くなるようだ、という米国ワシントン州立大学からの研究報告。
研究ではまた、COVID-19に対する懸念の度合いが、誤情報に対する信念の強さを高めていることも明らかになった。誤情報への信念を弱める要因は2つあり、それは科学者への信頼と「議論の異質性」への嗜好、つまり異なる視点をもつ他者との対話を好むことだった。
研究チームは、パンデミックの開始時に実施された2020年米国選挙研究探索的テスト調査のデータを解析した。3,080名の回答者のうち、少なくとも480名が2つのCOVID-19誤情報のうち1つを信じると回答した。それは、新型コロナウイルスが実験室で意図的に開発されたものである、というものと、すでにワクチンが開発済みだというものだった。回答者はまた、それをどれくらい確かだと思うかも尋ねられた。
このデータを、参加者の他の調査データ(SNSの使用、科学者に対する信頼と不安のレベル、異なる視点をもつ他者との議論にどのくらい価値を置くか)と比較検討した結果、研究チームは、コロナウイルスを特に心配しているソーシャルメディアユーザからの増幅効果を認めたという。
「あなたがより多くSNSを使うほど、COVID-19に対する不安が高まるようにみえる。恐らくそれは、SNSが多くの根拠のない陰謀論などに満ちているためだろう。これが引き金となって、さらに不安が高まり誤情報を信じるようになってしまうのだろう」と研究者は述べている。
「ファクトチェッカーを、ソーシャルメディアプラットフォームが実装することが重要だ。ファクトチェッカーがない場合、人々は、既存の信念と一致するものを信じることを選択するだけだ。人々が異なる視点や政治的イデオロギーを持っている人々と話すことも重要だ。人々が異なるアイデアにさらされるとき、彼らは内省と自己修正の機会をもてる。これは熟考のためには特に有益であろう。」
出典は『テレマティクスとインフォマティクス』。 (論文要旨)
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