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[病気]  COVID-19とおたふく抗体の重要な関係を発見
2020.12.3 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

おたふく風邪(ムンプス)を含むMMRワクチン接種歴のある人では、ムンプス抗体価のレベルとCOVID-19の症状が反比例の関係にあることが明らかになった。ムンプス抗体価が特に高めの人は、何日にも渡りCOVID-19患者との濃厚接触があっても感染すらしなかったという。米・ワールド・オーガニゼーションなどの研究。

はしか・おたふく風邪・風疹の三種混合ワクチン(MMRワクチン)は、COVID-19にも有効であるとの学説が立てられている。最新の研究により、おたふく風邪のIgG抗体価、つまりIgG抗体のレベルがCOVID-19患者の重症度と逆相関していることを示し、この説を強固なものとした。

筆頭著者であるゴールド氏は「私たちは、42歳以下で(メルク社製造の)MMRUワクチン接種歴のある人において、ムンプス抗体価のレベルとCOVID-19の重症度が統計学的に有意に逆相関することを発見しました。これは、MMRワクチンがCOVID-19から守る可能性があることを示す関連性をさらに追加するものです。また、子供が大人よりも大幅に低いCOVID-19発症率、および死亡率を持っている理由となるかもしれません。子供たちの大多数は、最初のMMRワクチン接種は生後12〜15か月、2回目は4〜6歳です」と述べている。

本研究では、COVID-19から回復した80人の被験者を2つのグループに分けた。

@MMRUグループ:主にMMRUワクチンによってMMR抗体を保持している米国生まれの被験者、50人

A比較グループ:MMRUワクチン接種の記録がなく、主に、はしか、おたふく風邪、風疹の罹患によりMMR抗体を得たと思われる人、30人

すると、MMRUグループ内でムンプス抗体価とCOVID-19の重症度の間に有意な逆相関があることが発見された。比較グループでは、ムンプス抗体価とCOVID-19重症度には関連がなかったほか、MMRUグループのムンプス抗体価と年齢、および両グループの重症度とはしか・風疹の抗体価レベルに有意な相関はみられなかった。

COVID-19の症状の度合いを0〜20段階で評価し、0はCOVID-19検査陰性者(数日に渡り、患者とマスク無しまたは近距離での濃厚接触があったにも関わらず検査で陰性だった人)、1を「検査では陽性だが無症状だった人」とし、20を最も重症としたところ、MMRUグループ内では、ムンプス抗体価が134〜300 AU / ml(n = 8)の人は全員が症状が0または1だった。また、軽症の人はみな、ムンプス抗体価が134 AU / ml未満(n = 17)、中等症の人は全員が75 AU / ml未満(n = 11)となっていた。入院して酸素を必要とした人は全員が、抗体価が32 AU / ml未満であった。

「これは、MMRUワクチンとCOVID-19の関係を評価した最初の免疫学的研究です。ムンプス抗体価とCOVID-19の間に統計的に有意な逆相関があることは、さらなる調査が必要な関係があることを示しています」と共著者でジョージア大学のハーレー教授は述べ「MMRUワクチンは、副作用がほとんどない安全なワクチンと見なされています。COVID-19による感染の予防、COVID-19の蔓延の防止、重症度の軽減のいずれかまたはすべてのコンビネーションという究極の利点がある場合、これは利点が大きくリスクの少ない介入となります」などとしている。

出典は『mBio』。 (論文要旨)      
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