2020.11.19
, EurekAlert より:
いくつかの基礎疾患とCOVID-19感染・重症化リスクとの関連が指摘されている。しかし遺伝情報を活用した新たな研究手法では意外にも、心血管リスクのうちCOVID-19リスクとなるのは肥満・高LDLコレステロール血症の2つで、糖尿病と高血圧は関連性がみられないようだという。英・クイーンメアリー大学の研究。
この研究では、COVID-19感染のリスクに対する心血管リスク因子の影響を調査するため、新しいアプローチを用いている。
これまで複数の観察研究において、心血管のリスク因子(肥満、高血圧、糖尿病、高コレステロールなど)とCOVID-19の重症度との関連が報告されていいる。しかし、これらはその研究デザインゆえに因果関係の立証はできなかった。
本研究では、個々人の遺伝情報を活用した「メンデルランダム化」と呼ばれる新しいアプローチによって、COVID-19感染のリスクに対する心血管リスク因子の影響を調査した。
主執筆者であるクイーンメアリー大学のアウン博士は次のように述べている。「私たちの研究結果は、肥満のマーカーである肥満度指数(BMI)が高く、悪玉コレステロールとして知られる低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールが高い人はCOVID-19に感染するリスクが高くなることを示しています。他の心血管リスク因子(高血圧と糖尿病)はCOVID-19のリスクを高めないようです」。
「私たちの所見は、COVID-19感染に対する脆弱性のリスク評価において、他の既知の特性(年齢や民族性など)とともに重要な指標としてBMIおよびLDLコレステロールを使用することを支持しています」。
出典は『遺伝学の最前線』。 (論文要旨)
|