2020.10.26
, EurekAlert より:
ロックダウン中の非物理的接触の維持、増加は、抑うつ感の上昇を抑えるのに有効であるかもしれない、という伊フィレンツェ大学からの研究報告。
Sars-CoV-2ウイルスの蔓延を遅らせることを目的として、多くの国で物理的接触が制限されている。研究チームは、世代間およびその他のタイプの非物理的接触が、50歳以上の人々のロックダウン中に知覚される抑うつ感の上昇リスクをどの程度軽減したかを検討した。
ロックダウン開始から約1か月後の2020年4月に、フランス(1,473人)、イタリア(1,511人)、スペイン(1,223人)で割当抽出法に基づくオンラインパネル調査が実施された。
調査の結果、対象3か国では、50歳以上の人々の約50%が、ロックダウン中に通常よりも頻繁に悲しみや落ち込みを感じていたことが明らかになったという。ロックダウン中に非同居者との非物理的接触を増加または維持した高齢者は、非物理的接触の減少を経験した人々と比較して、知覚される抑うつ感が上昇するリスクが低かった。
非物理的接触の有益な効果は、世代間の関係に対してより強かった。影響は男女間で類似しており、70歳以上で、スペインに住んでいて、ロックダウン開始前に一人で住んでいなかった個人により強くみられたという。
「COVID-19パンデミックの次の段階、または将来の同様のパンデミックの間に、政策立案者は、ウイルスの拡散を減らす必要性と限られた物理的接触を可能にする必要性とのバランスをとる措置を実施するかもしれない。物理的に離れていても、社会的な親密さを保つ手段として、離れた場所での社会的接触が奨励されるかもしれない」と研究チームはまとめている。
出典は『老年内科医』。 (論文要旨)
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