2022.9.15
, EurekAlert より: 
子どもたちは、人工的な食品よりも「自然な食品」とされる方を好む傾向があり、よりおいしく、安全で、望ましいと考えるという。英エジンバラ大学の研究。
成人が「自然な食品」を好む傾向があることは十分に立証されているが、最新の調査結果によると、この食物バイアスは幼児期および学童期にはすでに存在することがわかった。
研究グループは、米国の374人以上の大人と子供を対象にリンゴとオレンジジュースを提示し、それぞれがどのように生産されたかを説明し、対象者のとらえ方の違いを調査した。
まず6〜10歳の子供137人にリンゴ3つを見せ、「1つは農場で栽培されたもの、1つは実験室で作られたもの、もう1つは実験室の木で育った」と説明した。
アンケートと統計モデルを使用して、子供たちのリンゴの好みを、美味しさ、安全性、食べたいと感じるか、という観点から評価した。また、異なる年齢層との比較のために、成人にも同じ研究に参加してもらった。
結果、子供も大人も、実験室で栽培されたリンゴよりも、農場で栽培されたと説明されたリンゴを好むことがわかった。
子供たちは、農場のリンゴを選んだ理由について、新鮮さ、屋外で育ったことや、または日光に言及する傾向がみられた。成人は自然であることについて言及する傾向が強かった。
2つ目の研究では、5〜7歳の子供85人と大人64人に4種類のオレンジジュースを見せた。それぞれのジュースについては@農場で絞ったもの、A情報無し、B化学物質が完全に除去されたもの、C化学物質が添加されているもの、として説明した。
すると、ジュースの自然さに関する情報がその評価に大きな影響を与えることがわかった。参加者は、知覚された味、安全性、および飲んでみたいという欲求のいずれにおいても、より自然なものに惹かれていた。
両研究とも、年齢は結果にほとんど影響を及ぼさず、5 〜10歳までの子供は同様の反応を示した。
研究者によると、これらの調査結果は「自然食品は良いものである」という信念が 5歳、さらにはそれよりも低い年齢で確立される可能性があることを示唆しているという。
エジンバラ大学のウィルクス博士は、「全体として、少なくとも米国では、自然食品を好む傾向が子供時代に見られるという証拠を提供しています。この研究は、これらの好みが社会的に学習されたものなのか、また自然なものを好む傾向の元は何なのかなど、これらの好みがどのように形成されているかを理解するための第一歩を提供します。」と話している。
出典は『発達心理学』。 (論文要旨)
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