2022.9.14
, EurekAlert より: 
速いペースで歩くことは、日々の歩数の多さ以上に認知症、心臓病、がん、および死亡のリスクの低下と関連していることが明らかに。豪・シドニー大学などが行った、歩数と健康に関する過去最大の研究。
この研究では同時に、認知症、心臓病、がん、および死亡のリスクが最も低くなるのは歩数だけで見た場合、1日9,800歩であることも明らかにされた。「健康を守るためには、理想的には 1 日 10,000 歩を目指すだけでなく、より速く歩くことも目標にすればよいということです」と共同筆頭著者のアーマディ博士は述べている。
キーポイント:
・歩数が1日2,000歩増すごとに早死のリスクが 8 〜 11% ずつ減少し、この効果は1日約10,000歩まで高まっていった
・心血管疾患とがんの発生率についても同様の関連性が見られた
・1日の歩数が多いほど、全ての原因による認知症のリスクが低い
・1日9,800歩が認知症のリスクを最も低下させた(リスク50%減)、1日3,800歩止まりでもリスクは 25%低下していた
・速いペースでの歩行は、毎日の総歩数以上に全ての結果 (認知症、心臓病、がん、および死亡) に有益な関連性を示した(歩行強度の尺度・30分間ケイデンスピークが1分あたり112歩でリスク62%減)
この研究では、英国バイオバンクのデータを利用して、40〜79 歳の英国の成人 78,500人の歩数データと7年後の健康状態の関連について調べた。参加者には、加速度計を手首に装着してもらい、7日間にわたって身体活動を測定した。そして、参加者の通院・入院等の健康記録とリンクさせて分析を行った。その際には、各種の交絡因子についても統計的な調整をしている。
研究者らは、本研究は観察的なものであり、直接的な因果関係を示すことはできないと指摘しているものの、人口レベルでの研究結果に見られる、強力で一貫した関連性に注目している。
出典は『JAMA内科学』。 (論文要旨)
|
 |