2022.9.12
, EurekAlert より:
ステージ III の大腸がんの術後治療を受けている患者の予後が、適切な身体活動によって改善する可能性があるという。米・ペニントン生物医学研究センターの研究。
本研究では、ステージIIIの大腸がん手術や化学療法を受けた患者1,696人を対象として、さまざまな種類と強度の身体活動が無病で生存している期間にどう影響するかについて約6年間の追跡調査を行った。具体的には、身体活動の総量と活動の種類を調べ、軽度および中程度の身体活動、活発な有酸素運動、早歩き、筋力トーレーニングを比較した。
大腸がんの患者の多くは病気を克服する。しかし最大3分の1が再発し、不治であることもしばしばであるとの報告がある。これまで、身体活動の種類と強度の違いが大腸がんサバイバー(生存者)のがん再発と死亡にどのように影響するかは不明だった。なお、現在の臨床ガイドラインで推奨されているのは、不活動を避けることのみだ。
本研究を率いた、ペニントン生物医学研究センターのブラウン博士は次のように述べている。 「大腸がんサバイバーは、一般的に、不活動を避けるのが最善であると言われています。 しかし、多くの患者は、治癒の可能性を最大化できる活動の種類に関する具体的な手引きを求めています。この研究は、がん専門医とその患者に、がんのない状態で生き続けるという目標に最も役立つ活動の種類に関する具体的な情報を提供します。」
「私たちが発見したことは、より多くのレクリエーション身体活動、より長時間の低強度から中強度の有酸素身体活動、または強度の有酸素身体活動のいずれかが、生き続けてがんにならない可能性が最も高いことと関連していたということです。 患者は、まず自分が楽しめる身体活動をみつけ、次に研究結果を参考にして、健康上の利点を達成するために必要な活動量を決定する必要があります。 アクティビティを楽しんでいれば、時間が経っても続けられる可能性が高くなります。」
出典は『臨床腫瘍学雑誌』。 (論文要旨)
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