2022.9.8
, EurekAlert より: 
身体活動レベルを高め、座っている時間を減らすと、乳がんのリスクが低下する可能性が高いようだ、という因果関係の証明を強化するように設計された研究が発表された。
乳がんのすべての種類とステージで一貫していたことがメンデルランダム化研究で明らかにされており、研究者らは乳がんを予防する方法として運動に重点を置くことを推奨している。
メンデルランダム化は、因果関係を支持する遺伝的証拠を得るために、遺伝子変異を特定のリスク因子 (この場合は生涯にわたる身体活動レベル/座りがちな行動) の代用として使用する手法だ。
観察研究では、運動不足と座りがちな行動が乳がんのリスクを高めることに関連していることを示しているが、それらが乳がんを引き起こすことを証明することは別の問題である。
そこで、研究者らは、メンデルランダム化を使用して、生涯にわたる身体活動と座っている時間が、乳がんリスク、特にさまざまな種類の腫瘍と因果関係があるかどうかを評価した。
本研究には、欧州系の130,957名の女性が含まれた。69,838名は浸潤性の腫瘍をもち、6,667名は非浸潤性で、54,452名は乳がんではない対照群だった。
女性らは、乳がんの遺伝的リスクに関心のある研究者のフォーラムであるBreast Cancer Association Consortium(BCAC)が支援する76件の研究の参加者だった。
研究者らはまた、英国バイオバンクのデータの膨大なリポジトリを使用した以前に発表された研究データ(91,105人から377,234人)を利用した。
データ分析の結果、遺伝的に予測される身体活動の全体的なレベルが高いほど、浸潤性乳がんのリスクが 41% 低くなることが示された。これは、閉経状態、腫瘍の種類、ステージ、または悪性度に大きく関係していなかった。
同様に、遺伝的に予測された週に 3 日以上の活発な身体活動は、自己申告による活発な活動がない場合と比較して、乳がんのリスクが 38% 低下した。これらの調査結果は、ほとんどの症例グループで一貫していた。
最後に、遺伝的に予測される座っている時間が長いほど、トリプルネガティブ乳がんのリスクが 104% 高くなった。これらの所見は、ホルモンネガティブの腫瘍タイプ全体で一貫していた。
本調査結果は、全体的な身体活動を増やし、座っている時間を減らすと、乳がんのリスクが低下する可能性が高いという「強力な証拠」を提供している、と研究者らは述べている。
出典は『英国スポーツ医学雑誌』。 (論文要旨)
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