2022.8.31
, EurekAlert より: 
ブラジルのサンカルロス連邦大学 (UFSCar) と英国のユニバーシティカレッジロンドン(UCL) の研究者らによる研究では、高齢者の貧血と筋力低下が組み合わさると、10 年以内に死亡するリスクが男性で64%、女性で117%高まることが示されている。
貧血だけでも男性の死亡リスクが58%増加する。女性の場合、ダイナペニア (筋力の低下) はそれ自体がより重要なリスク因子であり、死亡リスクが68%増加する。2つの状態が一緒になると、特に年配の女性にとってさらに大きなリスクが 生じるという。
「女性の場合、2つの条件が重なると死亡リスクは2倍になります。これは非常に有意な増加であるため、これらの要因を臨床的に監視する必要があります. 患者が医師の診察を受ける際には、貧血の原因を迅速に特定して治療する必要があります。筋力低下の理由を発見し、抵抗運動を処方することも重要です」と筆頭著者のマリアンヌ・マルケス・ルイス博士候補生は述べている。
研究者らは、英国加齢縦断研究 (ELSA)の50歳以上の英国人5,310人を10年間追跡調査したデータを解析した。参加者の84%は貧血もダイナペニアもなかったが、10.7%はダイナペニア、3.8%は貧血、そして1.5%は両方を持っていた。
10年間の追跡調査期間中に、合計984人の死亡が記録された。死亡者のうち、63.7%は貧血もダイナペニアもなく、22.8%はダイナペニア、7.5%は貧血、6%は両方だった。
「すべての死因を分析した結果、貧血とダイナペニアの組み合わせが全死因死亡リスクを高めることが示されました。貧血とダイナペニアの両方を持つことは、高齢者にとって重大なリスクです」とルイス氏はコメントしている。
出典は『老年学・老年医学アーカイブ』。 (論文要旨)
|