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[病気]  「代替塩」は有用か?
2022.8.18 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

食塩(塩化ナトリウム)の代替品である塩化カリウムは、血圧を低下させ、心臓発作、脳卒中、全死亡および心血管疾患のリスクを低下させることが示された。豪・南ウエールズ大学の研究。

心血管疾患は世界中で主要な死因となっており、早期死亡の主なリスクは高血圧だ。ナトリウムが多くカリウムが少ない食事は、血圧を上昇させることが知られている。

研究者らによると、世界中で約12億8000万人が高血圧を持っているものの、その半数以上は診断未確定とされる。

塩化ナトリウム (NaCl) の一部を塩化カリウム (KCl) に置き換えた「代替塩」は、血圧を下げるのに役立つことが知られている。

中国で最近発表された大規模な研究 (Salt Substitute and Stroke Study; SSaSS) では、代替塩が心臓発作、脳卒中、および早期死亡のリスクを軽減することが明らかにされたが、これらの利点が世界の他の地域にも当てはまるかどうかはわかっていなかった。

そこで本研究では、2021年 8月末までに公開された無作為化臨床試験を検索し、代替塩が血圧、心血管の健康、および早期死亡に及ぼす影響について報告したヨーロッパ、西太平洋地域、南北アメリカ、および東南アジアで実施された、約 30,000 人を対象とした 21件の臨床試験の結果を収集した。

研究期間は 1ヶ月のものから5年間のものまでがあった。代替塩中の塩化ナトリウムの割合は、33%〜75%、カリウムの割合は25%〜65%の範囲だった。

データを統合して分析したところ、代替塩はすべての参加者の血圧を下げることを示した。 収縮期血圧の低下は全体で4.61mmHg、拡張期血圧の低下は同じく1.61mmHg となった。

地域、年齢、性別、高血圧歴、体重(BMI)、研究開始時の血圧、および尿中ナトリウムとカリウムのレベルに関係なく、血圧の低下は一貫しているようであった。

また、代替塩中の塩化ナトリウムの割合が 10% 低下するごとに、収縮期血圧は1.53 mmHg 低下し、拡張期血圧が 0.95 mmHg 低下していた。食事性カリウムがより高くなることと健康への害との関連はみられなかったという。

これらの試験のうちの5件、24,000人以上のデータをさらに分析した結果、代替塩の摂取は全死因による早期死亡のリスクを11%、心血管疾患による13%、心臓発作または脳卒中のリスクを11%低下させていた。

今回の結果について研究者らは、収集された研究のデザインがさまざまであり、高血圧ではない人々のデータが比較的少なかったことなど、特定の制限があることを認めている。しかしながら、この結果は代替塩についての過去最大の試験であるSSaSSの調査結果を反映していることを強調し、血圧低下のために世界的に公衆衛生戦略の一環として代替塩の採用をすすめて差し支えないのでは、としている。

出典は『心臓』。 (論文要旨)      
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