2022.8.5
, EurekAlert より: 
ハンバーガー、フライドポテト、炭酸飲料などの糖質と脂肪を多く含む食事は、子供を妊娠する前であっても、母乳と赤ちゃんの健康に悪影響を与える可能性があるようだ、という英国ケンブリッジ大学からの研究報告。
実験用マウスを使用した新しい研究では、ファストフード食の比較的短期間の摂取でさえ母マウスの健康に影響を与え、出産後の栄養豊富な母乳を生産する能力を低下させることがわかった。これは仔マウスの健康に影響を与える可能性があるだけでなく、母と子の両方が後年に心臓病、脳卒中、糖尿病などの重篤な疾患を発症するリスクを高める。
研究チームは、マウスに、妊娠前3週間、妊娠中(3週間)、および出産後に、加糖練乳を含む加工高脂肪ペレットの餌を与えた。この餌は、ファストフードのハンバーガー、フライドポテト、加糖清涼飲料の栄養成分を模倣するように設計されていた。その目的は、出生力、胎児の成長、および新生児の転帰への影響を判断することだった。
実験の結果、短期間の高脂肪、高糖質の食事でさえ、出生後早期の仔マウスの生存に影響を与え、母親が仔に餌を与えている間の損失が増加することを発見した。乳たんぱく質は新生児の発育にとって非常に重要だが、高脂肪、高糖質の食事をしているマウスの母親では質が悪いことがわかったという。
「母親は見た目に変化はなく、妊娠も大丈夫そうに見えました。けれども、実際には脂肪組織が増え、脂肪肝になっており、胎盤の形成が変化しました。胎仔の体重には影響がありませんでした。わずかに軽いようにみえましたが有意ではありませんでした。栄養状態も変化したようにみえました。出産後乳腺の発達と乳たんぱく質の組成が変化しました。それが新生児のマウスに大きな影響を及ぼしたようでした」と研究者はコメントしている。
出典は『生理学紀要』。 (論文要旨)
|