2022.8.3
, EurekAlert より:
健康な成人がビタミンDサプリメントを摂取しても、骨折予防に特段のメリットはみられなかったという。米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院の研究。
ビタミンDサプリメントは骨の健康のためとして広く使用されているものの、一般的な人々の骨折リスクを軽減するかに関しては、信頼のおける一貫したデータが無い。
そこでブリガム・アンド・ウイメンズ病院の研究グループは、同病院の別の研究グループが行っている、25,000人以上の成人を対象とした臨床試験に付随する研究を実施した。追跡期間中(中央値5.3年)に骨折した参加者は1,551人、件数は1,991件だった。
プラセボ群と比較して、ビタミンD3(2000 IU /日)を摂取した群は、総骨折、非脊椎骨折、または股関節骨折の件数に差はみられなかった。分析ではまた、ビタミンD3サプリメントにより主要な骨粗鬆症性の骨折、および手首骨折、骨盤骨折についても効果が一切ないことが示された。これらの結果は、研究開始時の年齢、性別、人種、肥満度指数、研究開始時のビタミンDの血中濃度、およびカルシウムとビタミンDサプリメントの個人的な使用の有無により調整した後も変わらなかった。
「総合すると、この大規模な臨床試験の結果は、多くの健康な米国の男性と女性の骨折を減らすためのビタミンDサプリメントの利用を支持していません」と筆頭筆者のレボフ医師は述べている。「これらの調査結果は、ビタミンD欠乏症、低骨量、または骨粗鬆症の成人には当てはまりません。試験のほとんどの参加者はビタミンDが欠乏しておらず、骨の健康に必要なビタミンDレベルにはすでに達していた可能性があります。私たちの進行中の研究は、遊離ビタミンDレベルまたはビタミンDの吸収、代謝、または受容体機能の遺伝的変異が、筋骨格の健康にビタミンDを補給することで恩恵を受ける可能性のある人に関する情報を提供するかどうかに焦点を当てています。」
出典は『ニューイングランド医学雑誌』。 (論文要旨)
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