2022.7.28
, EurekAlert より:
ココアは、血圧と動脈硬化を、それが高まった時にのみ低下させるようだ、という英国サリー大学からの研究報告。
先行研究で、ココアフラバノールは、降圧剤と同じくらい血圧と動脈硬化を低下させることが報告されている。けれども、これらは、厳密に管理された実験的環境で行われたため、フラバノールが日常生活で血圧を下げるのにどれだけ効果的であるかは不明であったという。
今回の研究は、血圧上昇の治療としてのココアが、血圧が上昇していないときに血圧を下げることによって健康上のリスクをもたらす可能性があるという懸念を減らし、臨床診療で潜在的に使用される道を開くものであるという。
健康な男女11人(45歳未満)は、8日間の連続した日において、1日6つのカカオフラバノールカプセル(862mg)または1日6つの黒砂糖を含むプラセボカプセルを一日おきに交互に摂取した。カプセルの摂取前30分および摂取後最初の3時間は30分ごとに、残りの9時間は1時間ごとに、血圧と脈波伝播速度(PWV)を自己測定した。
研究チームは、血圧と動脈硬化が、参加者の血圧が高い場合にのみ低下し、朝など血圧が低いときには効果がないことを発見したという。
重要なことは、この効果のピークが初めて、ココアを摂取してから3時間以内だけでなく8時間後にも確認されたことだという。研究者らは、この2番目のピークは、腸内細菌がカカオフラバノールを代謝する方法に起因する可能性があると考えている。
「カカオフラバノールが私たちの心臓血管系、特に血管機能と血圧に与えるプラスの影響は否定できません。私たちの結果は、カカオフラバノールは血圧が上昇した場合にのみ血圧を低下させることを示しています」と主任研究者のクリスチャン・ハイス教授はコメントしている。
出典は『栄養学の最前線』。 (論文要旨)
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