2022.7.13
, EurekAlert より:
閉経状態または血中エストロゲンレベルは、中年女性の脂肪燃焼にほとんど影響を及ぼさないようだ、というフィンランド・ユヴァスキュラ大学スポーツ健康科学部からの研究報告。
閉経後のエストロゲン低下は、エネルギー源として脂肪を使用する女性の能力を損なうと考えられている。だが、研究によると、閉経状態または血中エストロゲンレベルは、中年女性が安静時または運動中に脂肪を使用できる割合を明確に決定するものではないようだ。
エストロゲンは、脂肪燃焼を促進するホルモンと見なされている。閉経後、エストロゲンレベルは低下する。結果として生じるエストロゲン欠乏症は、エネルギー源として脂肪を使用する女性の能力を低下させ、潜在的に体重増加と代謝性健康障害につながると考えられている。
だが、ユヴァスキュラ大学で実施された研究によると、更年期障害が脂肪の利用に及ぼす影響は、栄養状態やフィットネスレベルと比較してわずかである可能性があるという。
この研究には42人の女性が参加し、そのうち26人は閉経後だった。残りの16人の女性はより高いエストロゲンレベルを持っていた。7人の女性は閉経前または閉経周辺期であり、9人は閉経後のホルモン補充療法(HRT)を受けていた。
一晩絶食後の安静時の脂肪利用率を測定すると、その主要な決定要因はエネルギーバランスだった。エネルギー消費量に比べてエネルギー摂取量が少ない女性は、脂肪の使用率が高くなっていた。より高い脂肪利用はまたより高い血中脂肪酸およびケトンレベルによって特徴づけられた。しかし、閉経後女性の脂肪利用は、閉経前女性やHRTを受けている女性のそれと異ならなかったという。
ピーク脂肪利用率は自転車テスト中に測定された。最も高かったのは、最高のフィットネスと身体活動レベルを持つ女性だった。ここでも、閉経後女性は、閉経前女性やHRTを受けている女性のそれと異ならなかった。
「運動中に脂肪を燃焼する能力を向上させたい場合は、持久力トレーニングでフィットネスを向上させることに集中してください」と筆頭著者のヤリ・カルピネン博士は述べている。「この場合、更年期についてそれほど心配する必要はありません。以前の研究では、運動中に脂肪を燃焼する能力は、閉経後でもトレーニングによって向上することが示されています。」
出典は『栄養代謝及循環器疾患』。 (論文要旨)
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