2022.6.24
, EurekAlert より:
衝動買いを避けたい場合は、コーヒーを飲むのを控えたほうがいいのかも? 米・南フロリダ大学の研究によるとカフェイン摂取後の買い物では、つい余計なものまで買ってしまう傾向があるという。
米国の小売店では、入り口の近くにコーヒーバーを設置することが増えている。本研究では小売店で3つの実験を行ったところ、入店前にカフェイン入りコーヒーを飲んだ客は、ノンカフェインコーヒーや水を飲んだ客よりも購入金額が約50%多くなり、購入商品数が約30%増えることがわかった。
「カフェインは、強力な興奮剤として、脳内にドーパミンを放出し、心と体を興奮させます。これにより、よりエネルギッシュな状態になり、衝動性が高まり、自制心が低下します」と、筆頭著者であるビスワス教授は述べている。「その結果、カフェインの摂取は、購入する商品の数が増え、支出が増えるという点で、買い物の衝動性につながります。」
実験は、フランスの小売チェーン店と家庭用品店、スペインのデパートの入り口にエスプレッソマシンを設置して行われた。300人以上の買い物客が入店する際に無料の飲み物が提供された。約半数のカップにはカフェイン約100mg入りのコーヒー、もう半数にはノンカフェインコーヒーまたは水が入っていた。
その後、客が店を出るときにレシートを見せてもらった。すると、カフェイン入りコーヒーを飲んだ客は、ノンカフェインコーヒーや水を飲んだ人と比較して、かなり多くの商品を購入し、より多くの代金を支払っていることがわかった。
また、カフェインは購入する商品の種類にも影響を与えることを発見した。カフェイン入りコーヒーを飲んだ客は、そうでない客に比べて香りつきキャンドルやフレグランスなど、必須ではない商品を購入しがちだったという。ただし、台所用品や収納バスケットなどの実用品の購入に関しては、2つのグループ間での違いは最小限だった。
さらに研究グループは、実験室で4番目の実験を行った。200人の学生を対象に、カフェイン入りとノンカフェインコーヒーのいずれかを飲んだ後に、疑似的なオンラインショッピングをしてもらった。すると、カフェイン入りコーヒーを飲んだ人は、マッサージャーなどの衝動買いと見なされる商品をより多く選び、ノンカフェインコーヒーを飲んだ人はノートなどのより実用的な商品を選んでいた。
「適度な量のカフェイン摂取は健康に良い効果をもたらす可能性がありますが、買い物中にカフェインを摂取すると意図しない結果が生じる可能性があります」とビスワス教授は述べている。「つまり、衝動買いを抑えようとする消費者は、買い物前にはカフェイン入り飲料を避けるべきです。」
出典は『マーケティング雑誌』。 (論文要旨)
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