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[運動]  いつ運動するかはあなたが思うより重要かも
2022.6.21 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

運動に最適な時間帯は、性別とトレーニングの目的によって違ってくるようだ、という米国スキッドモアカレッジからの研究報告。

毎日のスケジュールのどこに運動を入れれば良いのだろう? ほとんどの場合、その答えは我々の家族のスケジュールと労働時間、そしておそらく我々が「朝型」であるか「夜型」であるかによって異なる。

けれども、過去10年間で、研究者らは、それらの制約よりもはるかに多くのことがこの質問にかかっていることを発見したという。というのも、最近の調査結果によると、運動の効果は時間帯(Exercise Time Of Day、ETOD)に依存することが示唆されているからだ。

今回、ランダム化比較試験によって、ETODが運動の有効性に影響を与えることが説得力を持って確認されただけでなく、これらの効果が運動の種類間、および女性と男性の間で異なることも示されたという。結果は『生理学の最前線』誌に掲載された。

筆頭著者で、米国ニューヨーク州サラトガスプリングスにあるスキッドモアカレッジのポール・アルシエロ教授は次のように述べている。

「私たちは今回初めて、女性が朝運動することで腹部脂肪と血圧を低下させる一方で、夕方の運動は上半身の筋力、パワー、耐久性を高め、全体的な気分と栄養満腹感を改善することを示しました。」

「また、男性の場合、夕方の運動は、朝の運動と比較して、血圧、心臓病のリスク、倦怠感を低下させ、より多くの脂肪を燃焼させることを示しています。」

■新しい12週間の「マルチモーダル」トレーニングプログラム
研究チームは、25歳から55歳の女性30人と男性26人を対象に検討を行った。全員が、健康で活動性が高く非喫煙者で普通体重だった。参加者は、以前に教授らによって開発されたRISEプログラムに従って、12週間にわたってコーチによる訓練を受けた。曜日に応じて、60分のレジスタンス(R)トレーニング、スプリントインターバル(I)トレーニング、ストレッチ(S)トレーニング、または持久力(E)トレーニングのいずれかを実施した。水、土、日曜は休みとした。参加者は、1日体重1kgあたり1.1-1.8gのたんぱく質摂取量で特別に設計された食事計画に従った。

本研究の重要点は、参加者が、事前に2つのレジーム(朝6:00-8:00、または夕方18:00-20:00の間の60分)のいずれかに個別にランダム化されていたことである。朝の運動に割り当てられた人々は、運動後に朝食をとり、4時間間隔でさらに3回食事をした。夕方の運動に割り当てられた人々は、トレーニングの前に4時間間隔で3回の食事を食べ、その後もう1回食事をした。

参加者は、試験の開始時と終了時に、有酸素性パワー、筋持久力、柔軟性、バランス、上半身と下半身の強さとパワー、およびジャンプ能力について包括的に評価された。登録された56人の参加者のうち16%が、この栄養と運動のスケジュールを順守できなかったという理由で、12週間の試験期間中に脱落した。

参加者の血圧、動脈硬化、呼吸交換率、体脂肪分布などの身体的および代謝的パラメーターの変化に加えて、研究チームは関連する血液バイオマーカー、たとえばインスリン、コレステロール、C反応性たんぱく質(CRP)、およびインターロイキン(IL)-6を測定した。また、参加者にアンケートを実施し、気分や満腹感の変化を定量化した。

研究チームは、朝または夕方の運動への割り当てに関係なく、すべての参加者が試験の過程で全体的な健康とパフォーマンスが改善したことを示した。チームはまた、ETODが身体能力、体組成、心臓代謝の健康、および気分の改善の強さに影響することも示した。

たとえば、すべての女性参加者は、試験中に総体脂肪、腹部および股関節脂肪、および血圧を低下させたが、これらの改善は朝の運動をしている女性でより大きかった。また、夕方に運動した男性だけが、総/HDLコレステロール比率、血圧、呼吸交換率、および炭水化物酸化の減少を示したという。

「私たちの調査結果に基づくと、おなかの脂肪と血圧を下げると同時に脚の筋力を高めることに関心のある女性は、朝の運動を検討する必要があります。しかし、上半身の筋力、パワー、持久力を高め、全体的な気分状態と食物摂取量を改善することに関心のある女性は、夕方の運動が好ましい選択です」とアルシエロ教授はコメントしている。

出典は『生理学の最前線』。 (論文要旨)      
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