2022.6.10
, EurekAlert より:
有酸素運動は、膵臓腫瘍の成長を抑え、免疫療法の効果を増幅するために免疫系を再プログラムするようだ、という米国ニューヨーク大学などからの研究報告。
研究チームは、運動がインターロイキン-15(IL-15)に感受性のあるCD8 T細胞の生存を促進し、マウスの膵管がん(PDAC)腫瘍にホーミングする細胞の数を2倍にすることを発見したという。このようなエフェクターT細胞は、先行研究によってがん細胞を殺すことができることが示されている。また、週5回の30分間の有酸素運動により、PDACの1つのマウスモデルでがん形成率が50%減少したことや、別のマウスモデルでトレッドミルで3週間走ることで、腫瘍重量が25%減少したことなども報告されている。
「私たちの研究は、運動と関連するIL-15シグナルが、治療抵抗性の膵臓腫瘍を刺激して、免疫ベースの治療法に対する反応を改善できることを示しています」と主任研究者のダフナ・バーサギ博士は述べている。「軽度の運動でさえ腫瘍の環境を大きく変える可能性があるということは、壊滅的な病気の負担と選択肢がほとんどない患者の治療におけるこのアプローチの可能性を示しています。」
出典は『がん細胞』。 (論文要旨)
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