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[病気]  乳製品の摂取は前立腺がんのリスクの増加に関連する?
2022.6.10 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

乳製品、特に牛乳の摂取量が多い男性は、摂取量が少ない男性と比較して、前立腺がんのリスクが大幅に高くなるかもしれない、という米国ロマリンダ大学からの研究報告。前立腺がんのリスクの増加と非乳製品のカルシウムの摂取との間にそのような関連性は見られず、カルシウム以外の物質が前立腺がんのリスクに関与していることを示唆しているという。

研究チームは、乳製品とカルシウムに幅広く曝露している28,737人の北米在住のセブンデーアドベンチスト派の男性の食事摂取量を評価した。全員が開始時はがんでなかった。食事摂取量は、食物摂取頻度質問票(FFQ)と繰り返しの24時間思い出し法から推定された。がんレジストリを使用して、参加者の前立腺がんを平均7.8年追跡した。研究期間の終わりまでに、州のがんレジストリは、1,254例の新しい前立腺がん症例を報告した。

分析の一環として、研究チームは、乳製品以外のカルシウム摂取量(ナッツ、種子、アブラナ科およびその他の緑の野菜、マメ科植物、果物、強化シリアル)を乳製品の摂取量から分離したと述べている。チームは統計モデルを使用して、非乳製品のカルシウム摂取量、前立腺がんの家族歴、人種、年齢などの他の因子の影響を排除して、乳製品の摂取量に焦点を当てた。

解析の結果、1日約430gの乳製品(1.75カップの牛乳)を摂取した男性は、1日わずか20.2gの乳製品(週0.5カップの牛乳)を摂取した男性と比較して、前立腺がんリスクが27%増加したことが明らかになった。また、1日約430gの乳製品を摂取した男性は、乳製品の摂取量がゼロの男性と比較して、さらに大きなリスクの増加(62%)に直面した。非乳製品カルシウムの摂取にはそのような影響は見られなかった。

「1つの解釈は、乳製品、またはいくつかの密接に関連する未知のリスク因子が、前立腺がんのリスクと因果関係があるということです」と研究チームは述べている。

主任研究者のゲイリー・フレイザー教授は「前立腺がんと乳製品とのこれらの関連の考えられる理由は、乳製品の性ホルモン含有量である可能性がある」と述べている。「泌乳期の乳牛の最大75%が妊娠しており、前立腺がんはホルモン反応性のがんです。さらに、以前の報告では、乳製品や他の動物性たんぱく質の摂取と、前立腺を含む特定のがんを促進すると考えられているホルモン、インスリン様成長因子-1(IGF-1)の血中濃度が高いことが関連付けられています。」

乳製品が前立腺がんのリスクを高めるのかどうかについては更なる研究が必要だが、フレイザー教授は、前立腺がんの家族歴やその他のリスク因子をもつ男性は、乳製品の摂取について注意が必要だと述べている。

「もしあなたが、平均よりもリスクが高いと思われる場合は、大豆、オーツ麦、カシューナッツ、その他の乳製品以外のミルクの代替品を検討してください。」

出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)      
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