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[病気]  BMIと1型糖尿病リスクは比例関係?
2022.6.8 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

高い肥満度指数(BMI)は1型糖尿病のリスクの上昇とも関連していたという。これまで、過体重によってリスクが上昇するのは2型糖尿病であり、1型は自己免疫と関連するとされてきた。イスラエル・シェバ医療センターが146万人あまりの青年を対象に行った研究。

1型糖尿病は、昔から小児糖尿病とも呼ばれ、年齢と体重に関係なく子供時代に発生することが多いとされてきたが、青年期から成人期にかけて発症することもある。一方で、今日ほとんどすべての国で急速に増加し蔓延している糖尿病は主に2型糖尿病であり、肥満/過体重、身体活動の低下、座りがちな行動の増加などの危険因子に関連している。

最近では、幼児を対象とした研究で、BMIの増加と1型糖尿病を発症するリスクとの関連が報告されているが、青年期後期の証拠は限られている。1型糖尿病の症例の約50%が青年期後期(18歳〜)に発症したため、これは興味深い。今回の新たな研究では、青年期後期のBMIと若年成人期の1型糖尿病の発症との関連を分析した。

この全国的な調査では、1996年1月〜2016年12月の間にイスラエルの強制徴兵にあたり医学的評価を受けた16〜19歳の全青年のデータ146万人分を分析した。なお、高血糖の既往歴のある人を除いた。データは、イスラエル国立糖尿病登録簿の1型糖尿病の成人発症に関する情報とリンクさせた。体重と身長は研究開始時に測定し、統計モデリングを使用して、過体重または肥満に関連する1型糖尿病のリスクを算出した。

1581万9,750人年の追跡調査(診断時の平均年齢25歳)を行った中で、1型糖尿病の新規発症が777件あった。BMIは1型糖尿病の発症と関連しており、年齢、性別、社会人口統計学的変数を調整したモデルでは、BMIの増加に伴い1型糖尿病のリスクも増加していることがわかった。

最適なBMI(米国疾病予防管理センターによる性別年齢別BMIパーセンタイル値が5〜49)の青年と比較して、肥満(95パーセンタイル以上)の青年は1型糖尿病発症リスクが2倍、太りすぎ(85〜94パーセンタイル)の人はリスクが54%増加、BMIは正常範囲内だが高めの人(75〜84パーセンタイル)はリスクが41%増加していた。BMIの範囲全体をみると、5 kg/m2上がるごとに、1型糖尿病発症の調整済みリスクが35%増加していたという。

論文の著者らは、肥満と自己免疫の状態との間に関連性があるという証拠が増えていると論じている。考えられる説として彼らが挙げているのは、肥満に関連する炎症性アディポカインおよびサイトカインのレベルの上昇は、糖尿病につながる炎症誘発性プロセスを促進することによって自己免疫寛容を低下させるということだ。

また「肥満に関連する追加の要因−ビタミンD欠乏症、高脂肪食の摂取、腸内細菌叢の変調などは、自己免疫の進展に寄与する可能性があります。私たちのコホートでは、自己免疫が元々高かった人を除外した場合でも、青年期の肥満と1型糖尿病の間に関連性があったことを考えると、追加の要因によって肥満と1型糖尿病とが特に結び付けられている可能性があります。」と著者らは付け加えている。

出典は『糖尿病学誌』。 (論文要旨)      
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