2022.6.2
, EurekAlert より:
1日1.5〜3.5杯のコーヒー摂取は、無糖・砂糖入りに関わらず死亡リスクを2〜3割ほど低減したという。中国南方医科大学が7年間に渡り英国の17万人あまりのデータを分析した研究。なお、砂糖を入れた場合の使用量はコーヒー1杯あたり平均で小さじ1杯(3g)程度だったとのこと。
コーヒーの健康への影響を観察した従来の研究では、コーヒー摂取により死亡のリスクが低下することがわかっていたものの、無糖・砂糖入り・人工甘味料入りの区別をした上での分析はされていなかった。
そこで中国南方医科大学の研究グループは、英国バイオバンクの研究健康行動アンケートのデータを使用して、無糖・砂糖入り・人工甘味料入りのコーヒーの摂取と、全死因および原因別の死亡率との関連を評価した。なお、対象者は既知の心臓病やがんのない171,000人以上とした。
その結果、7年間の追跡期間中に、無糖のコーヒーを飲んでいた人は摂取量に関わらず、コーヒーを飲まない人に比べて死亡リスクが16〜21%低いことが明らかになった。
また、砂糖入りコーヒーを1日1.5〜3.5杯飲んでいた人は、コーヒーを飲まない人に比べて死亡リスクが29〜31%低下することもわかった。砂糖入りコーヒーを飲んでいた人の砂糖使用料は、コーヒー1杯あたり平均して小さじ1杯(3g)であった。なお、コーヒーに人工甘味料を使用した人については、明確な結果が出なかった。
この論文の論説では、コーヒーには健康上の利点のある可能性があるものの、被験者の社会経済的状態、食生活、およびその他の生活様式などの要因の違いを判断するのが困難であるなどの交絡因子が、結果に影響を与える可能性があることに注意すべきとしている。
また、今回の分析で記録されたコーヒー1杯あたりの平均砂糖使用量は、人気のコーヒーチェーンの特製ドリンクよりもはるかに少なかった。コーヒー飲用者の多くは他の飲料の代わりにそのようなコーヒーを飲んでいる可能性があり、コーヒーを飲まない人との比較をより困難にしているとのことだ。
出典は『内科学年報』。 (論文要旨)
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