2022.6.1
, EurekAlert より:
毎日のビタミンDサプリメントは、血糖値が高く2型糖尿病リスクの高い人々の発症を予防できないようだ、という産業医科大学などからの研究報告。
研究チームは、2013年6月から2019年8月の間に日本の3つの病院で集められた耐糖能障害の日本人成人1,256人(平均年齢61歳)を対象とした。参加者は、ランダムに2群に振り分けられ、介入群はエルデカルシトール(活性型ビタミンD3)0.75μgを、対照群はプラセボを3年間にわたって毎日摂取した。
その結果、糖尿病の発症は、介入群で12.5%、対照群で14%であった。また血糖値が正常になったのは介入群で23%、対照群で20%であった。いずれも群間に有意差は認められなかった。
けれども、年齢、性別、血圧、BMI、糖尿病の家族歴など、11の可能性のある因子を調整すると、エルデカルシトールにはインスリン分泌が不十分な前糖尿病患者の2型糖尿病を予防する可能性があることが示唆された。
「エルデカルシトールによる治療は、前糖尿病患者の糖尿病の発生率を有意に低下させなかったが、インスリン分泌が不十分な人々に対するエルデカルシトールの有益な効果の可能性が示唆された」と研究チームは結論付けた。
出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)
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