2022.6.1
, EurekAlert より:
米国での肥満の蔓延は任務可能な兵士の割合を低下させ、国家の安全保障上の懸念にさえなっているという。これに対処するための方策も効果をみせておらず、軍隊内での栄養教育の重要性が指摘されている。米ケンタッキー医科大学の研究。
肥満は、深刻な医学的および経済的影響を伴う公衆衛生上の危機と考えられているが、肥満の先行きが米軍にも看過できない影響があるという。
「これは、任務可能な新兵の人数を抑制し、再入隊の候補者を減らし、任務の準備を縮小する可能性があり、国家の安全保障に深刻な影響を与える複雑な問題です」と、責任著者のポリス博士は述べている。「さらなる関連問題として、軍隊の人口動態の変化と軍人家族における食糧不安が含まれます。」
第二次世界大戦の軍人の栄養失調に対処するために全国学校給食プログラムが可決された1946年、国民の健康と国家安全保障の関係が確認された。この時期は、米国の食糧供給において1日あたりのカロリーが限られていた。
今日、栄養失調への懸念はもはや差し迫ったものではなくなった。代わりに、他のいくつかの要因の中でもとりわけ、食糧供給への劇的なカロリーの増大とポーションサイズの増加は、体重増加を促進し、その結果、入隊に適格な男女の人数を減少させた。軍の適格な体脂肪率基準を超える新兵の割合は、1960年以降、男性で2倍、女性で3倍になっています。
これらの統計により、軍の指導者たちは、健康上の問題のある食事の選択肢を取り除き、学校で無料または低コストの昼食プログラムを増やすための構想を含む、栄養と食事のパターンの変更を求めるようになった。その他の解決策としては、軍自体の中での栄養教育がありえる。
「新兵訓練係は、新兵の指導、カウンセリング、指導、訓練のために軍隊の不可欠で重要なリーダーです」とポリス博士は説明している。「この展望は、正確な栄養情報と行動モデリングが新兵に強く影響する可能性があることを示す以前の研究に基づいています。」
共著者のルパート氏は、司令官や将校も情報の普及や行動モデルとしての非常に重要な役割があり、基本的な訓練の範囲を超えて兵士たちに継続的な影響を与えることができるとしている。
今日の基本的な訓練連隊の人口動態が変化し、女性や移民系の割合が高くなっている。これらの人は、肥満の割合が高いだけでなく、食糧不安を経験する人の割合が高いグループだ。健康的な食品へのアクセス不全は、肥満、不安、その他のメンタルヘルスの問題につながる可能性があり、軍の維持と任務への備えをさらに脅かすことになる。
「米国政府と国防総省の努力にもかかわらず、肥満は軍隊に影響を与え続けており、国家安全保障へのリスクは多大です。」とポリス博士は強調する。「ベストプラクティスを明らかにするための研究では、軍隊内の多様性の高まり、健康的な食品へのアクセスの重要性、情報に基づいたリーダーシップを通じて栄養教育を支援する機会を検討します。」
出典は『栄養教育行動雑誌』。 (論文要旨)
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