2022.5.23
, EurekAlert より:
高レベルの食事コレステロールは、マウスのインフルエンザ感染症を悪化させるかもしれない、という米国イリノイ大学からの研究報告。
先行研究で、科学者は高脂肪食と血中コレステロールの上昇を感染症への感受性の増加と免疫応答の低下と関連付けていた。たとえば、肥満はCOVID-19やインフルエンザの重症疾患のよく知られたリスク因子である。けれども、これらの感染症におけるコレステロールの寄与を分離した研究はほとんどなく、食事中のコレステロールの影響を記述したものはなかったという。
研究チームは、標準的な齧歯動物用飼料または2%コレステロールを添加した同一の食事をマウスに与えた。食事を与えてから5週間後、マウスはマウスに適応したヒトインフルエンザAウイルスに感染した。研究チームは、体重減少、食物摂取、病気の行動など、病気の進行を追跡した。彼らはまた、血清コレステロール値と免疫応答を追跡し、感染過程の複数の時点で肺のウイルス量を測定した。
コレステロールを与えられたマウスは、感染前の総血清コレステロールのレベルの増加および感染後のトリグリセリドの減少を特徴とする脂質異常症を示した。コレステロールを与えられたマウスはまた、対照マウスと比較して罹患率の増加を示した。
これは免疫抑制の結果でもウイルス量の変化の結果でもなかった。肺のトランスクリプトーム分析により、食事中のコレステロールがウイルス応答経路と白血球輸送に関与する遺伝子のアップレギュレーションを引き起こし、これがサイトカイン産生CD4の数の増加と一致することが明らかになったという。
インフルエンザの罹患率に対する食事コレステロールの影響は、マウスがそれを食べるのをやめた後も長く続いた。研究者らは、最初に高コレステロール食を摂取したマウスにその後5週間通常の食事を与えた。それらのマウスがインフルエンザにさらされたとき、それらは高コレステロール食を一度も摂取したことがないマウスよりも依然として罹患率が高かった。
「肺の免疫機能の変化のいくつかは、感染前にすでに存在していました。食事コレステロールが感染前にどのように炎症を増加させたかを正確に見ることは興味深いでしょう」と主任研究者のアンドリュウ・スティールマン准教授はコメントしている。
出典は『免疫学雑誌』。 (論文要旨)
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