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[病気]  患者を軽蔑したり非難したりする言葉は時代遅れ?
2022.5.18 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

患者の健康上の問題を疑ったり、軽視したり、非難したりする医学用語は、臨床で一般的に使用され続けているが、時代遅れであり、変化が遅れていると、英国ケンブリッジ大学の研究者らが主張している。

カトリーナ・コックスとゾーイ・フリッツは、既存の研究を利用して、そのような(しばしば当たり前とみなされる)言葉が、いかにして、患者と医師両方の態度に影響して、治療関係に潜在的に影響を及ぼすかを説明している。彼らは、理解と目標を共有することに焦点を合わせた関係を育むためにそれをどのように変えることができるかを示唆している。

患者を見下す言葉の中には、患者が受診した理由を参照するのに広く使用されている「presenting complaint(主訴)」という言い方が含まれる、と彼らは述べている。同様に、症状や経験についての患者の説明を報告するときに「denies(拒否)」や「claims(主張)」などの言葉を使用すると、事実を認めることを拒否することを示唆し、信頼できないことを暗示する可能性がある。

また、医師が患者を受動的な存在や子供のように扱う言い方も頻繁になされるという。たとえば、医師は病歴を「take(取得)」したり、患者を家に「send(送付)」したりする。

薬の服用に関連する「コンプライアンス」および「非コンプライアンス」という用語も権威主義的であり、医師は、患者が処方された薬を服用していない理由に焦点を当てるのではなく、言い方を変えて、医師と患者の協力関係を促進することに焦点を当てるべきであると示唆している。

コックスとフリッツは、転帰不良の患者を暗黙のうちに非難する言葉も問題があると主張している。たとえば、糖尿病やてんかんなどで「poorly controlled(制御が不十分)」という用語は、汚名を着せて患者に裁かれたという感覚を与える可能性があるし、「treatment failure(治療不成功)」は、治療法や医師ではなくて、患者が不成功の原因であることを示唆する。

研究は、特殊な単語の選択や言い方は、患者の健康と病気に対する見方に影響するだけでなく、医師の患者に対する態度にも影響を及ぼすことを示している。

例えば、中立的な言い方(not tolerating oxygen mask (酸素マスクに耐性がない)、対、refuses oxygen mask(酸素マスクを拒絶する))に関する研究は、非中立的な言葉が患者に対する否定的な態度と、より少ない鎮痛薬の処方に関連していることを示している。

著者らは、正しい言葉の使用は「ポリティカルコレクトネスの問題ではない。それは我々の相互作用の核心に影響する」と述べ、そのような言葉が患者の転帰に及ぼす影響を検討していく必要がある、と述べている。

ここで強調されている言い方の多くは、医療行為に深く根付いており、臨床医によって無意識のうちに使用されていると彼らは述べている。臨床医は、自分の言い方が態度にどのように影響するかを検討し、信頼を促進し、力のバランスを取り、共有された意思決定をサポートする言語を選択する必要があるだろうとのことである。

出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)      
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