2022.5.12
, EurekAlert より: 
母親自身のメンタルヘルスの観点から、母乳育児は基本的には産後うつのリスク低下など良い影響をもたらすが、人によっては逆にマイナスに働くことがあるという。米・マサチューセッツ大学によるレビューから。
母乳育児と母親のメンタルヘルスの関連を調査した36報の論文を統合して解析したところ、29報において、母乳育児をすることで心の不調の症状を緩和する効果がみられたとされていたが、1報では心の不調が増大してしまったとしていた。
また、34報で母乳育児と産後うつとの間に統計学的に有意な関連性を認めており、このうち28報において母乳育児は産後うつのリスクを低下させると結論付けていた。
総合的に見ると母乳育児は母親のメンタルヘルスを改善させるようだが、一方で母親が母乳育児に困難を感じた経験や、母乳育児に対して抱いていた期待と現実の差異がある場合、メンタルヘルスに負の影響があるようだったという。研究担当者のコーンスタイン博士は、臨床医はこのことについて認識することが重要だと述べている。
出典は『婦人保健雑誌
』。 (論文要旨)
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