2022.4.27
, EurekAlert より:
減量中に高強度の運動を一定期間続けると、脂肪の多い食事をあまり食べたいと思わなくなるようだ。米ワシントン州立大学による動物実験の結果から。
この実験は、「渇望の潜伏」として知られる現象に対する耐性を調査するために設計された。つまり、目的の物質が断たれた時間が長いほど、ふたたび手に入れられるようになった際にはそのシグナルを無視するのが難しくなる。
ワシントン州立大学の研究者であるブラウン氏は今回の研究結果について、さらなる調査が必要だが特定の食品に関しては、運動することで自制心を高められることを示している可能性があると述べている。
「減量を続ける上で本当に重要なのは、ある程度の知的パワーを持つことです。『いいえ、私はそれを切望していたとしても、断念します』と言う能力のことです」。「運動は、減量をする上で肉体的に有益であるだけでなく、不健康な食品への渇望を制御するために精神的にも有益である可能性があります。」
本研究の実験では、28匹のラットを用いてまずレバーを使ったトレーニングを行った。ラットがレバーを押すとライトが点灯し、音が鳴ったあとに高脂肪の餌が出てくる仕組みを覚えさせた。トレーニング期間終了後に、光と音の合図が出るまでにラットがレバーを何回押すかを調べておいた。
次に、ラットを2群に分け、一方は高強度のトレッドミルランニングを行う群(運動群)、もう一方は運動の付加をしない群(対照群)とした。両群ともに、30日間は高脂肪の餌を与えないようにし、翌日には再び高脂肪の餌を得られるレバーと同じレバーを操作できるようにしておいた。しかし今度はレバーを押しても餌は出ず、光と音の合図が出るだけにした。すると、対照群のラットは運動群よりもレバーを押した回数がかなり多かった。このことは、運動が高脂肪の餌への渇望を軽減したことを示している。
今後研究チームは、このタイプの渇望に対するさまざまなレベルの運動の影響と、不健康な食品への欲求を抑えるために脳内で運動がどのように正確に機能するかを調査する予定だという。
「運動は多くの観点から有益です。心臓病、肥満、糖尿病に役立ちます。それはまた、(脂肪や砂糖の多い)不適切な食品のいくつかを回避する能力に役立つかもしれません」と彼は言いました。「私たちは常に何らかの方法でこの魔法の薬を探しています。そして運動はこれらすべての利点を持って私たちの目の前にあるのです。」
出典は『肥満学』。 (論文要旨)
|