2022.4.22
, EurekAlert より:
中国科学院(CAS)インテリジェントマシン研究所の研究グループは、ビタミンK2の新しい機能を発見したという。ミトコンドリア膜電位を調節し、酸化ストレスを緩和し、それによって6-ヒドロキシドーパミン(6-OHDA)によって引き起こされるミトコンドリア機能障害を修復し、神経細胞の損傷を抑制するのである。
6-OHDAは、ドーパミンニューロンの変性を引き起こす神経作用物質であり、ミトコンドリアの損傷や神経細胞の死につながる可能性がある。パーキンソン病やその他の神経変性疾患の病因によく使用される。
本研究で研究チームは、ビタミンK2がミトコンドリアを保護することによって6-OHDAによって引き起こされる神経細胞の損傷を抑制することができることを発見したという。
筆頭著者であるヘンファン・タン博士は、そのメカニズムを次のようにさらに説明している。
「Bcl-2発現の上方制御とBax発現の下方制御によって、アポトーシスのマスタースイッチの役割を演じることで、それによりミトコンドリア膜電位とROSレベルを制御し、酸化ストレスを軽減します。もう1つは、ミトコンドリアの融合、分裂、オートファジー、生成の正常な動作を維持し、それによってミトコンドリアの品質管理ループの正常な動作を制御し、損傷したミトコンドリアを修復することです。」
「この研究結果は、ビタミンK2が神経細胞の損傷を修復することにより、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患の予防と治療に役割を果たす可能性があることを示しています。」
出典は『栄養素』。 (論文要旨)
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