2022.4.21
, EurekAlert より:
拒食症の妊婦に対する世界初の管理ガイドラインが発表された。豪州モナッシュ大学の研究。
拒食症の妊婦は、死産、出生時低体重、または早産のリスクが高くなるが、医師が状態を管理する方法についての明確なガイドラインは今までなかったという。
豪州メルボルンにあるモナッシュ大学臨床科学部・女性と子供メンタルヘルスセンターの所長であるミーガン・ガルバリー教授ら研究者チームは、妊娠中の神経性食欲不振症の学際的管理に関する推奨事項と原則をまとめた。
『ランセット精神医学』誌に掲載されたこれらの推奨事項には、妊婦と子供に最適な結果を保証するために必要な専門家のメンタルヘルス、産科、医療、および栄養ケアに焦点が当てられている。
神経性食欲不振症は、出産可能年齢の女性で有病率が高く、最大で妊婦200人に1人が影響を受けるという。だが、ガルバリー教授は、拒食症の妊婦の管理に関する研究と臨床的アドバイスは不足していると述べている。
研究チームよれば、神経性食欲不振症は、カロリー摂取不足、栄養とビタミンの欠乏、ストレス、絶食、低体重、および胎盤の機能の問題を通じて、産科および新生児のアウトカムに影響を与える可能性がある。
さらに、妊娠中の未治療または過小治療の神経性食欲不振症によるリスクとして、周産期のうつ病や不安神経症などの心理的および心理社会的リスクが含まれる。
「成人の神経性食欲不振症の管理のために開発された原則の多くは妊婦に適用できますが、妊娠中の実質的な生理学的、心理的、社会的変化への専門家による修正と適応が必要であり、胎児の成長とウェルビーイングも考慮に入れる必要があります」と研究チームは述べている。
出典は『ランセット精神医学』。 (論文要旨)
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