2022.4.20
, EurekAlert より:
文化的背景は、男性と女性が生涯を通じて雇用、家事、介護、その他の活動にどのように時間を費やすかに影響を与えるようだ、というスペイン・バルセロナ自治大学人口統計学研究センターの報告。
進歩にもかかわらず、ジェンダーの不平等は時間の使用に残っており、女性は家事に積極的で、男性は有給の仕事に積極的である。先行研究は、特に、親子関係がこれらの格差をどのように拡大するかを明らかにしている。けれども、異なる文化的文脈が、小児期から成人後期までの時間使用における性差にどのように影響するかは不明だったという。
研究チームは、参加者が日記で毎日の時間の使用状況を追跡した多国籍時間使用調査のデータを分析した。このデータには、アジア、ヨーロッパ、北米の10か国から20万人以上の参加者が2005年から2015年に記録したエントリが含まれていた。
分析の結果、10か国すべてで、男性と女性の時間の使用における最大の格差が、家事、介護、雇用活動の分野に存在した。格差は韓国、ハンガリー、イタリア、スペインで最大であり、他の西欧諸国では中程度、フィンランドと英国、米国、カナダなどのアングロサクソン諸国では最小だった。
10か国すべてで、家事と介護に費やす時間の性差は思春期から成人期に広がり、最大の差は30歳から44歳まで続いたが、65歳以降は狭くなった。このパターンはイタリアと韓国で最も強く、カナダとフィンランドではあまり顕著ではなかった。雇用活動に費やされる時間の格差は、30歳から64歳までで最も大きかった。このパターンはオランダで最も顕著であり、米国ではあまり顕著ではなかった。
この調査結果は、国の状況が、時間の使用におけるジェンダーギャップの人生全体にわたる盛衰に影響していることを示唆するものだという。
「私たちの研究は、年齢と性別が時間使用パターンに強く影響することを示していますが、国の状況がそこに重要な役割を果たしていることも示しています」と研究者はコメントしている。
出典は『プロスワン』。 (論文要旨)
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