2022.4.15
, EurekAlert より:
健康な生活習慣は、男女両方の平均余命の延長に関連しており、彼らの多くがアルツハイマー病に罹患することなく生きていた、という米国ラッシュ大学などからの研究報告。
研究チームは、「シカゴ健康・老化プロジェクト(CHAP)」内で、認知症の既往のない65歳以上(平均年齢76歳)の2,449人のデータを分析した。
年齢、性別、民族、教育など潜在的に影響力のある要因を考慮して解析した結果、研究チームは、健康な生活習慣(適度の運動、知的活動(cognitive engagement)、健康な食事)を持つ女性と男性の65歳における平均余命がそれぞれ24.2年と23.1年であることを発見した。それに対して、健康な生活習慣が少ない女性と男性では、平均余命はより短く、21.1年と17.4年だったという。
健康な生活習慣をもつ女性と男性がアルツハイマー病に罹患して過ごす長さは、残りの年の10.8%(2.6年)と6.1%(1.4年)で、対する健康な生活習慣が少ない女性と男性では、19.3%(4.1年)と12.0%(2.1年)だった。
85歳ではさらに違いが顕著であったという。
本研究は、長期的な追跡調査を伴う集団ベースの研究であり、観察研究であるため、原因を特定することはできないという。研究チームは他にもいくつかの制限事項を指摘している。例えば、生活習慣は自己申告であるため測定誤差につながる可能性があるという。
とはいえ、研究チームは、「この調査は、健康的なライフスタイルによる平均余命の延長が、アルツハイマー型認知症と共に暮らす年数の増加を伴わないことを示唆しています」と結論付けている。
出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)
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