2022.4.13
, EurekAlert より:
座ったままでする太極拳は、脳卒中生存者の、手と腕の強さ、肩の可動域、バランス制御、うつ病の症状、日常生活動作を改善できるかもしれない、という中国・雲南中医薬大学からの研究報告。
この研究は、中国の昆明にある2つの伝統的な漢方病院で実施された。研究チームは、6か月以内に初めての虚血性脳卒中を患い、少なくとも片方の腕の使用を維持した160人の成人(平均年齢63歳、男性81人、女性79人)を対象とした。参加者のうち、半分は座位での太極拳プログラムにランダムに割り当てられ、残りの半分は標準的な脳卒中リハビリテーション運動プログラムに割り当てられた。
座位での太極拳群は、入院中に太極拳のインストラクターから1週間の個別トレーニングを受け、自宅で週3日11週間練習するためのセルフガイドビデオを受講した。対照群は、自宅で12週間練習するための標準的な運動のセルフガイド運動ビデオを受け取った。座位での太極拳群69人と対照群65人が12週間のプログラムと4週間のフォローアップを完了した。
その結果以下のことが明らかになった。 ●座位での太極拳群は、標準的な脳卒中リハビリテーション群(対照群)と比較して、手と腕の機能と座位でのバランスの制御が優れていた。 ●座位での太極拳群は、対照群と比較して、うつ病の症状が大幅に減少し、肩の可動域が改善され、日常生活動作と生活の質が大幅に改善された。 ●太極拳群の半数以上が、12週間の介入後も練習を続けた。これらの改善は、太極拳群では4週間のフォローアップ期間中も継続していた。
「太極拳は椅子や車椅子で練習でき、自宅でもできるのでとても便利です。このプログラムの練習にはほとんど費用がかからず、特別な設備や移動時間も必要ありません」と筆頭著者の趙潔博士は述べている。
(写真は太極拳ではありません)
出典は『脳卒中』。 (論文要旨)
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