2022.4.4
, EurekAlert より:
身体活動は加齢に伴う認知機能の変化を保護する役に立つ可能性があるが、かならずしも高強度の運動が必要なわけではないようだ、という米国ジョージア大学からの研究報告。
「本研究結果は、あなたがマラソンを始める必要があるとは言っていません」と筆頭著者のマリッサ・ゴニアット博士は語っている。「本研究が言っているのは、あなたがより多くステップを踏み、周囲をもう少し移動すれば、それがあなたの脳の健康維持と自立性を保つ役にたつだろう、ということです。」
研究チームは、51名の高齢者を対象に、身体活動量とフィットネスレベルを追跡調査すると共に、認知機能を測定するための特別に設計されたテストを受け、さらに脳機能の評価のためにMRIを受診した。
身体活動量は、身体活動量計を装着して測定し、6分間歩行テストを通じてフィットネスレベルが評価された。このテストでは、参加者は制限時間内に可能な限り長い距離を踏破するためにできるだけ速く歩くことが求められる。
脳はたくさんの異なるネットワークで構成されている。これらのネットワークは常に通信しており、相互に情報を送信している。しかし、脳のさまざまな部分がさまざまな時間に活動している。たとえば、身体が静止しているときにアクティブになっているネットワークは、人が作業を開始するとオフになる。その時、別のネットワークが始まる。
これらのネットワークの1つがアクティブである間、他の1つは遮断する必要がある。そうでない場合は、ヒトの脳が正常に機能していないことを示している。
これらのネットワークは、重要な情報の記憶や自制心の発揮など、日常生活の基本的な作業を実行できるようにするための鍵である。しかし、人々が年をとるにつれて、これらの作業はしばしばより困難になる。
本研究は、これらのネットワークが身体活動やフィットネスとどのように相互作用して、脳の機能に影響を与えるかを調べた最初の研究だったという。
「この研究は、脳のネットワークが最適に機能していない人々が身体活動に最適に従事するとき、実行機能と自立性の改善が見られる、といういくつかの証拠を私たちに与えるので、エキサイティングです」とゴニアット博士は語っている。
「私たちは、あなたが人生を根本的に変える必要があると言っているのではありません。たぶん、仕事に行く途中で階段を上るだけです。立ち上がってもう少し歩き回って下さい。それであなたは最大の利益を得るのです、クレイジーな高強度の運動ではなく。」
出典は『健康のためのスポーツ科学』。 (論文要旨)
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