2022.4.4
, EurekAlert より:
レジスタンスまたは筋力トレーニングは、アンドロゲン受容体を活性化することによって、マウスの筋肉痛の発症を防ぐようだ、という米国アイオワ大学からの研究報告。
運動は一般的に、腰痛、変形性関節症、線維筋痛症などの多くの種類の慢性的な痛みのある患者に処方される。多くの研究が運動の鎮痛効果を調べているが、レジスタンストレーニングが筋骨格痛にどのように影響するかについてはあまり良くわかっていなかった。研究チームの以前の研究では、テストステロンが痛みの増加(痛覚過敏)の発症を防ぐことが明らかにされていた。
研究チームは、マウスの筋肉痛に対する筋力トレーニングの効果を評価するための新しいモデルを設計した。実験では、マウスは小さなおもりを尻尾にそっと付け、はしごを登った。はしご登りによって、前足の強度が向上することが確認された。
運動誘発性の筋肉痛は、マイルドな酸溶液の注射によってマウスに誘発された。実験の目的は、テストステロンレベルとアンドロゲン受容体の影響を含め、レジスタンストレーニングが筋骨格痛の発症にどのように影響したかを評価することだった。
先立つ8週間のレジスタンストレーニングは、モデル実験において雄および雌マウスで筋肉通の発症をブロックした、と研究チームは述べている。けれども、一度筋肉痛が起きてしまうと、はしご登りの痛みを緩和したのは雄マウスにおいてのみだった。トレーニングはまた、雄マウスにおいて短時間のテストステロンの上昇をもたらしたが、雌マウスでは観察されなかった。
筋肉痛に対するテストステロンの効果を確認するために、研究者らはアンドロゲン受容体遮断薬を使用してさらに実験を行った。筋力トレーニング中にアンドロゲン遮断薬を投与された動物は、筋肉痛に対する保護効果を発揮しなかった。運動による保護効果が現れると、アンドロゲン遮断薬の影響を受けなくなった。
これらのデータは、アンドロゲン受容体の活性化が、レジスタンストレーニングプログラムによって引き起こされる活動誘発性の筋肉痛からの保護に必要であることを示唆している、と研究チームは述べている。
出典は『疼痛』。 (論文要旨)
|