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[栄養]  世界的な食生活は人間と惑星の健康に害を及ぼしています
2022.4.1 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

世界的な超加工食品の普及が、人間が消費できる植物種の多様性に悪影響を及ぼしていると同時に、人間と惑星の健康にも悪影響を及ぼしているようだ、というブラジル・サンパウロ大学などからの研究報告。

研究チームは、超加工食品が人間の健康に及ぼす悪影響は十分に文書化されているが、惑星の健康への悪影響についての認識はまだ低く、超加工食品は国際開発アジェンダから欠落していると述べている。

また、世界的な農業生物多様性、特に人間の消費に使用される植物の遺伝的多様性が低下していると警告している。

人間の食物には7,000種以上の食用植物が使用されているが、2014年に重要な生産があったのは200種未満であり、全作物生産の66重量%以上を占めるのはわずか9作物だった。さらに、人間のエネルギー摂取量の90%は、わずか15の作物からのものであり、40億人以上が、米、小麦、トウモロコシの3つだけに依存している。

研究チームは、食料システムにおける生物学的多様性のそのような低下は、信頼できる持続可能な食料生産を支える生物圏のプロセスと生態系を破壊し損害を与え、食事の多様性を減らし、健康的で回復力のある持続可能な食料システムへの障壁を生み出していると警告した。

ブラジルの主要スーパーマーケットチェーンで販売されている7,020の超加工食品の継続中の調査から、それらの5つの主要成分には、サトウキビ(52.4%)、牛乳(29.2%)、小麦(27.7%)、トウモロコシ(10.7%)および大豆(8.3%)に由来する食品が含まれていることが報告されている。

また豪州では、2019年の包装済み食品・飲料の上位成分が砂糖(40.7%)、小麦粉(15.6%)、植物油(12.8%)、および牛乳(11.0%)であったことが報告されている。

人々の食事は多様性が低下し、ホールフーズによるバランスのとれた食事の代わりに超加工食品が使用されるようになっている。

超加工食品の生産には、少数の高収量植物種(トウモロコシ、小麦、大豆、油糧種子作物など)から抽出された成分が多く使用され、また多くの超加工食品で使用される動物由来の成分が、その同じ作物を食べた動物に由来している。

もう1つの懸念事項は、超加工食品の生産に大量の土地、水、エネルギー、除草剤、肥料が使用され、温室効果ガスの排出と包装廃棄物の蓄積による環境劣化を引き起こしたことだという。

「人間の食生活における超加工食品の急速な増加は、人間が消費できる植物種の多様性に圧力をかけ続けるでしょう。将来国際的な枠組みの中で、超加工食品によって引き起こされる農業生物多様性の破壊を強調し、この災害を遅らせ、逆転させるために設計された政策と行動に合意する必要があります」と研究チームは結論付けている。

出典は『BMJグローバルヘルス』。 (論文要旨)      
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