2022.3.31
, EurekAlert より:
大規模なランダム化試験で、心血管系死亡の27%の減少を含む、カカオフラバノールの予防的心血管系効果の兆候がみられたが、主要な結果である総心血管系イベント低下は10%で、統計的に有意ではなかった、という米国ブリガムアンドウィメンズ病院からの報告。
研究チームは、米国人成人21,442名(女性65歳以上12,666名、男性60歳以上8,776名)を対象にランダム化二重盲検プラセボ対照2x2要因臨床試験を実施して、カカオ抽出物サプリメントと総合ビタミン剤の心血管系疾患とがんに対する影響を検討した。
今回の報告はカカオ抽出物の影響に関するもので、参加者は、ランダムにカカオ抽出物サプリメント群(1日500mgフラバノール、80mgの(-)-エピカテキン含む)またはプラセボ群に振り分けられた。
平均3.6年の追跡調査期間中に、カカオ群410名、プラセボ群456名に心血管系事象が観察された(HR=0.90)が、統計的に有意ではなかった。セカンダリ・エンドポイントとして、心血管系死亡、心筋梗塞、脳卒中、冠動脈再建のハザード比は、各々0.73、0.87、0.91、0.95であり、全ての死因による死亡のハザード比は0.89だった。
カカオ抽出物サプリメントは、高齢者の心血管系事象を有意に減少させなかったが、心血管系の死亡を27%低下させた。
「私たちの研究は、カカオフラバノールによる心血管保護の興味深いシグナルを示唆していますが、これらのサプリメントを摂取することによる健康上の利点は、将来の試験で確認する必要があります」と研究者はコメントしている。
出典は『米国臨床栄養学雑誌』。 (論文要旨)
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