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[運動]  やらないほど運動が難しくなる理由
2022.3.17 , EurekAlert より:   記事の難易度 3
  

運動量を減らすと、体内の重要なたんぱく質が不活性化され、さらなる不活動を引き起こして、運動がより困難になる可能性がある。リーズ大学の研究チームは、血流センサーであるPiezo1たんぱく質を非活性化すると、血液を筋肉に運ぶ毛細血管の密度が低下することを発見した。

この制限された血流は、活動をより困難にし、可能な運動量の減少につながるのだろう。この結果は、やらないほど運動が難しくなる生物学的な理由を説明するのに役立つものだという。

実験はマウスで行われたが、Piezo1たんぱく質はヒトにも見られ、同じ結果が生じる可能性があることが示唆されている。

リーズ大学医学部のポスドク研究者である筆頭著者のフィオナ・バルトリ博士は、次のように述べている。「残念ながら、怪我やコンピューターの使用などの理由で、多くの人が十分な運動をしていません。これにより、人々は病気のリスクが高まります。運動する人が少なければ少ないほど、体調が悪くなり、下向きのスパイラルにつながることがよくあります。」

「運動に対する多くの反応が知られていますが、運動の利点が最初に分子レベルでどのように引き起こされるかは神秘に包まれています。私たちの研究は、身体活動とPiezo1がこのレベルで行う生理反応の間の重要なリンクを強調しています。運動によってPiezo1をアクティブに保つことは、私たちの身体的パフォーマンスと健康にとって非常に重要かもしれません。」

研究チームは、2群のマウス(対照群とPiezo1レベルが10週間枯渇した群)を比較した。ウォーキング、クライミング、ランニングホイールの活動が観察され、Piezo1枯渇マウスは活動レベルの著しい低下を示した。これは、正常な身体活動を維持する上でのPiezo1の重要な役割を示唆している。

研究チームは、Piezo1枯渇マウスが運動への興味が低いかどうかを検討したが、両群間で活動の量や期間に違いは見られなかった。代わりに、運動セッションごとの回し車の回転数が少なく、走行速度が遅かったことで、欲求が低下したのではなく、運動能力が低下したのだと思われた。

主任著者のデビッド・ビーチ教授は次のように述べている。「私たちの研究は、血管壁が身体活動に関連付けられる上でのPiezo1の役割に新たな光をあてるものです。血管の発達におけるその役割は既に多くのことが知られていますが、成人において血管の維持にそれが寄与していることについてはあまり知られていません。」

「私たちの発見は、筋肉機能の喪失に対する新たな治療法への道を拓く機会を提供してくるものでもあります。私たちがPiezo1を活性化すれば、運動能力を維持する助けになるかもしれないのです。」

出典は『臨床研究雑誌』。 (論文要旨)      
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