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[病気]  アルコール使用が脳の感情処理機能を低下させる?
2022.3.8 , EurekAlert より:   記事の難易度 1
  

アルコール使用障害を発症するリスクのある人は、社会的および感情的な処理に関与する脳領域間のコミュニケーションが少ないことが示された。米国カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究は、飲酒障害を防ぐための新しい介入を示唆する可能性がある。

研究者らは、神経活動パターンの変化が一部の人々の顔の表情を解釈する能力を損なう可能性があると示唆している。研究者らは、脳の接続性におけるこれらの違いは、個人の将来のアルコール使用を予測するために使用でき、アルコール使用障害を治療または予防するための新しい介入の基礎を提供する可能性があることを発見した。

アルコール使用障害を発症するリスクは遺伝的に影響を受けており、アルコールに対する個人の反応レベル、つまりアルコールの影響がでる前にどれだけ飲酒しなければならないかに関連しているという。反応レベルが高い(高LR)人と比べて、反応レベルが低い(低LR)人は、より多く飲み、しだいにアルコール問題を発症する傾向が高い。

低LRの個人に関する以前の研究では、感情と報酬の処理に関与する扁桃体を含む特定の脳領域での活動の低下が指摘されている。今回の研究は、このコンテキスト(文脈)でこれらの脳領域間の機能的接続性を評価する最初のものだという。

「顔の表情を読み取る能力は、状況を解釈し、それに応じて行動を変える方法に影響を与えます」と筆頭著者のベンジャミン・マッケナ博士は述べている。「この貴重な社会的および感情的な情報を適切に処理できない場合、これは飲酒をやめるか続けるかの選択を含むあなたの行動に影響を及ぼします。」

本研究では、まずアルコール問題の病歴のない108人の若年成人が、アルコールに対する反応のレベルが低いか高いかで特徴づけられた。次に、少量のアルコールまたは非アルコールのプラセボ飲料を摂取し、感情的な顔の処理タスクを実行して、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を使用して脳の活動を測定しながら、幸せ、怒り、恐怖の顔を同定するように求められた。

研究者らは、アルコールを摂取しなくても、感情的な顔を処理している間、低LRの個人は扁桃体と前頭葉、島および頭頂葉の間の機能的接続性が低いことを発見した。アルコールを摂取した後、この接続性は低LRの個人ではさらに減少したが、高LRの参加者では増加したという。

「これらの人々では、アルコールをまったく消費していなくても、重大なアルコールの問題が発生する前に、脳の領域のコミュニケーションが異なっていることに驚きました」とマッケナ博士は述べている。

チームはまた、5年後の同じ個人の追跡データを確認し、以前のスキャンからの参加者の機能的接続パターンを使用して、将来のアルコール問題を予測できることを発見したという。

「これらの遺伝的影響を受けた神経生物学的差異が将来の行動を予測するものである場合、問題のある飲酒を発症する前に、早期にそれらを特定し、人々を教育することを試みることができるかもしれません」とマッケナ博士はコメントしている。

出典は『アルコール中毒:臨床・実験研究』。 (論文要旨)      
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