2022.3.7
, EurekAlert より:
2種類のビタミンDには大きな機能差があるようだ、という英国サリー大学とブライトン大学による共同研究報告。ビタミンD3が人々の免疫システムのバランスを取り、ウイルス感染に対する防御を強化するのに役立つ可能性があるという。
研究チームは、12週間にわたって毎日摂取されるビタミンDサプリメント(D2およびD3)が人々の血液中の遺伝子の活性に及ぼす影響を調査した。335名英国在住の南アジア系および欧州系女性(20-64歳)をランダムに3群に分け、各々プラセボ群、ビタミンD2群、ビタミンD3群とした。
その結果、広く支持されている見解とは反対に、研究チームは、両方のタイプのビタミンDの遺伝子発現に対する効果は同じではないこと、ビタミンD3がウイルス性および細菌性疾患に対して体を強化する可能性がある免疫系に変化を及ぼすという証拠を発見した。
筆頭著者のコリン・スミス教授は次のように述べている。「私たちは、ビタミンD3が、体内のI型インターフェロンシグナル伝達システムを刺激するように見えることを示しました。これは、細菌やウイルスに対する防御の第一線を提供する免疫システムの重要な部分です。したがって、健康的なビタミンD3状態は、ウイルスと細菌が体内に足場を築くことを防止するのに役立つ可能性があります。」
共著者のスーザン・ランハム=ニュー教授は次のように述べている。「私たちは、ビタミンD2とビタミンD3が、人間の遺伝子活性に同じ影響を与えないことを発見しましたが、それはビタミンD2について、速やかにその効果の差異を明確にするために、より大規模な研究が緊急に必要であることを意味します。けれども、これらの結果は、ビタミンD3が強化食品やサプリメントに望ましい形態であることを示しています。」
出典は『免疫学の最前線』。 (論文要旨)
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