2022.3.3
, EurekAlert より:
プライマリケアで提供される運動介入は、成人の中から高強度の運動を週に平均14分増やす可能性がある、という英国ラフバラー大学などからの研究報告。
この効果は控えめに見えるが、研究チームは、中から高強度の身体活動のわずかな増加でさえ、病気や死のリスクを減らす助けとして重要であると述べている。
WHOのガイダンス(2020年に更新)では、週に最低150-300分の中強度の身体活動(例:活発なウォーキング、ダンス、芝生の刈り取り)または75-150分の高強度の身体活動(例:ランニング、水泳、階段昇降)を勧告し、これを超えることを奨励している。
けれども、エビデンスは、ほとんどの国で身体活動プログラムが効果的でなく、成人の4人に1人で身体活動が不十分であり、過去20年間で参加率の改善が見られないことを示唆している。
研究者チームは、プライマリケアで提供される有酸素ベースの身体活動介入と通常ケア(対照)を比較する16,000人以上の成人を含む51件の試験をレビューした。ほとんどの試験では、一般開業医、看護師、理学療法士が介入を行い、健康教育者やカウンセラー、運動の専門家、栄養士、研究者が参加した試験もあった。
身体活動は37件の試験では自己申告、14件ではデバイスを使用して測定された。試験のフォローアップ期間は1月から5年の範囲だった。
全体として、研究チームは、介入群の参加者が対照群と比較して中-高強度運動を平均して週に14分程度増加させ、また対照群よりもガイドライン目標を達成する可能性が高いことを発見したという。
デバイスを使用して身体活動を測定した試験では、群間で有意差は見られなかったが、自己申告の試験では、介入グループで週24分の増加が示された。医療専門家との5回以上のコンタクト、より長いフォローアップ、またはプライマリケアと他の専門家によって提供された介入を含む介入は、より大きな改善と関連していた。
最後に、体重を測定した試験では、介入参加者の体重は、フォローアップ時に対照より1kg軽くなった。これは小さいように見えるかもしれないが、研究チームは、通常、成人は年間約0.5-1kg増加するため、この量の減量は重要であると指摘している。
「プライマリケア環境で医療専門家によって提供される身体活動介入は、自己申告によって測定される身体活動への参加を増やし、成人の体重を減らすのに効果的であるようです」と研究チームは結論付けている。
出典は『英国医学雑誌(BMJ)』。 (論文要旨)
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